ノーベル化学宏業 勝見副功 常務取締役
ノーベル化学宏業は、スキンケアを中心にUV関連やヘア&ボディケア製品などを製造している。昨年2月には、1・3トンの乳化釜を新たに導入した。直近の状況について、責任技術者として工場を統括する勝見常務に話しを聞いた。
――設備補強の目的は。
勝見 スキンケアに加え、近年、フェイスマスクやヘアケア関連の受注が増えてきたためである。作業効率を高めてコストパフォーマンスに活かしたい。小規模な工場だからこそできることを追求している。その一つが清潔な生産環境の維持。20年以上前からノンパラベン処方やノンフェノキシエタノール処方などの商品開発を行ってきた。
――当時は業界内でも珍しかったのでは。
勝見 現在の提案型OEMとして取り組み始めたのは1980年代半ば。後発だったため、他社に断られたという製品の依頼なども可能な限り受けてきた。そのほとんどが、いわゆる「こだわり商品」でノンパラ処方などもその一つ。小ロット主体の生産設備もこだわり商品に多い中・高価格帯製品の生産にマッチしていた。
とはいえ、当時は初めて取り扱う原料や処方ばかり。品質管理など販売先と同じリスクを背負う意識で取り組んできた。そのスタンスからか、提案営業よりも、先方依頼から開発・製造することが多く、長期取引につながっている。
今後も販売先と物づくりへの意識を共有して一緒に成長できるOEMを目指していく。
――今期の活動テーマは。
勝見 昨年後半から、高圧乳化装置を使用したナノエマルジョン技術に特化した原料・処方の開発を行っている。ナノ化技術は浸透力などの特性から提案面でもフックとなる。
近年はゲル人気もあり水溶性への関心が高まっているが、オイルやクリームなど油溶性原料の再興に向けて、引き続き開発に力を注いでいく。