福島第一原発が東日本大震災によるダメージで、放射線漏れが懸念される中、拡散エリア拡大に不安が拡がっている。そうした中、東京大学で環境エネルギー問題と原子力について学ぶ学生グループが、Q&A方式のブログサイト「環境エネルギーと原子力を学ぶ学生による原子力Q&A」を開設した。
同ブログでは、学生が現段階で得られる情報に基づき、科学的・学術的に議論し、検討した見解を分かりやすく解説している。
基本的なことでは、「放射線物質による健康被害への影響」として、(1)被爆を防ぐ方法(2)健康への影響(3)遠距離での影響(4)事故の程度、今後の見通し(5)放射線の測定、放射線に関する用語について、「原子炉の状況やその安全性」の項目では(1)事故の経緯(2)事故・問題への対処(3)爆発やメルトダウンなど(4)他の原発の状況、についてQ&Aで回答している。
同ブログでは随時、質問を受け付けており「できる限り分かりやすく簡潔な回答を行うよう心掛けています。いただいた質問には可能な限り早く回答します」としている。
メディアでは連日、専門家による原発事故に関する解説が行われているが、専門用語なども混じり、すんなりは分かりづらい。同ブログは、専門家ではないものの、原子力についての勉学に励む学生によるもので、誰にでも分かりやすく噛み砕いて丁寧に解説されている。
原発の事故処理は依然、予断を許さない状況にあるが、デマや不十分な知識が無用の混乱を生み出す。まずはしっかりと知識を得、不明なことがあれば、質問してみるのが“自己防衛”の第一歩となる。
「環境エネルギーと原子力を学ぶ学生による原子力Q&A」:http://nucqa.exblog.jp/