(株)タニタ(東京都板橋区前野町1-14-2、社長・谷田千里)は、熱中症予防の必需品となる簡易熱中症指数計3機種を6月中旬より順次発売する。ラインナップは、デジタル表示で見やすい「TT544」、据え置き、壁掛けのどちらにも対応できるアナログ式で小型の「TT545」、壁掛けで使用できるアナログ式で大型の「TT546」の3機種。
同製品は、WBGT(℃)を基準とした危険段階が一目で分かる熱中症指数計。WBGT(℃)は、暑さ寒さに関係する環境因子(気温、湿度、輻射熱、気流)のうち、気温、湿度、輻射熱の3因子を取り入れた温度基準で、日本気象学会はWBGT(℃)を基に熱中症の予防指針を策定している。
デジタル表示の「TT544」は、「注意」「警戒」「厳重注意」「危険」の注意ゾーンをランプとアイコンで表示するとともに、最大危険段階に達するとアラームで知らせる。電波時計も内蔵し、置き時計としても利用できる。
一方、アナログ表示の「TT545」と「TT546」は温度計と湿度計の針の交点で危険段階を表示する。これまで、据え置き型の熱中症指数計は3,000円前後のものが主流だったが、両機種ともに2,000円台で、購入しやすい価格設定となっている。
同社では「熱中症指数計市場へは初参入。体脂肪計・体組成計、活動量計、温湿度計などで培った健康計測機器のノウハウを生かし、シンプルで使いやすい新商品の投入で、市場の深耕を図っていきたい」としている。
記録的な猛暑となった2010年は、熱中症で救急搬送される人が5万3843人と前年の4.15倍だった。気象庁は今夏も平年より気温が高くなると予想しており、また節電対策の影響もあることから、熱中症を発症する可能性が高いと考えられる。
国立環境研究所がまとめた「熱中症環境保健マニュアル2009」によると、熱中症を発症する場所は自宅が多く、65歳以上の高齢者になると約5割が自宅で発症している。自宅での熱中症予防は各部屋の温湿度管理が重要となるだけに、簡易熱中症指数計を使うことで、より簡単に熱中症発症の危険度を把握することができる。
同社では、室内にいることが多い高齢者をメーンターゲットに3機種合計で年間5万台の販売を目指す。製品の税込価格は「TT544」が3,675円、「TT545」が2,100円、「TT546」が2,625円。