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震災復興に向けた創造型マーケティングとは

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産業能率大学総合研究所はこのほど、「応援消費が拡がるエシカル(利他)の時代 今後の事業・マーケティング活動のあり方」をテーマに、東日本大震災後の国内外の事業・マーケティング活動のあり方について発表会を開催した。

安達隆男主幹研究員は、創造型マーケティングの基本的な考え方と震災前後でのマーケティングと消費行動の変化について解説した。ここで言う「創造型マーケティング」とは、単に現状の因果関係を分析するのではなく、実現に向かうために何が必要であるかを逆算し、問題を解決していく手法のことを指す。

企業を取り巻く環境は、M&Aなどによる経営環境の著しい変化により将来を予測してビジネスを展開するのが困難な状況であり、従来の内外の環境を把握し戦略を立案する「分析型マーケティング」だけでは問題解決が図りにくくなっているため、安達氏は「創造型マーケティングを加え、2つを状況に応じて使い分け、最適な組み合わせで問題解決を図ることが重要になってきている」と語った。

創造型マーケティングの一例として安達氏は、震災によって社会構造の中に突如として現れた「復興型問題解決」モデルを挙げ、「現在は、震災によって危機的状況に陥る中、悠長に原因を分析・追及し解決する状況ではなく、復興に向け将来のありたい姿を探索せざるを得ない状況である。創造思考に転換していく人が一気に増大していくため、日本の社会・市場が分析型から創造型へと変化する大きな転換点となるだろう」と語った。

また消費行動の変化について、購入して「自分が喜ぶ」時代から「人へ貢献し喜ばれる」へと価値観が変化していると指摘した。震災後、短期間のうちに買い占め・買い控え・消費自粛・応援消費などの消費行動が発生。こうした消費行動を経て、社会構造の中における個人として、「資源の消費拡大・抑制」と「利己・利他追求」の消費バランスを考えた二軸消費を選択していくと語った。

最後に安達氏は、「ツイッターの普及などにより、個人が社会に与える影響は非常に大きくなっており、企業が個人の意見を取り入れ、店を作る側にも消費する側にもなる消費行動が構築されてきている。これは、個人が単にモノを消費するだけでなくなってきていることを指す」と現状分析を行ったうえで、企業が顧客のコンセプト実現のための環境を提供して新たな魅力的な市場を創出するという「価値創造環境提供型マーケティング」を提唱。今後は、この考え方に基づいてマーケティングを展開すべきと結論づけた。

2011年06月15日 17:26