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トクホの処遇巡り消費者委員会に要望書提出/日本健康・栄養食品協会

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(財)日本健康・栄養食品協会(東京都新宿区、下田智久理事長)は2011年6月20日付で「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」報告書(骨子案)に関する要望書を消費者委員会委員長に提出した。

消費者委員会は2011年2月に「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」を設置し、再審査手続や許可の更新制を中心とした特保の表示許可制度について検討。第3回目の会議(5月24日)では、座長試案の報告書(骨子案)が提示された。

この骨子案の内容が、事実上、特定保健用食品制度の規制強化につながるものだったことから、同協会は、同協会会員会社で特定保健用食品の生産、販売を行う事業者を中心に検討。その意見をとりまとめ、下田理事長を通じ、消費者委員会松本恒雄委員長へ要望書として提出した。

要望書では、(1)再審査手続きについて「再審査手続きの開始は、明確な基準を定め、慎重な判断をお願いしたい」とし、(2)許可の更新制については「新たな知見の収集を目的とした特保の許可の更新制は、慎重に対応してもらいたい」とした。

その理由として(1)は「再審査手続きを開始する新たな知見とは、緊急性が高いと考えられる安全性についての新たな知見が報告されたものに限り対象とすべき」、「再審査の公表は実質的にその商品の販売差し止めと同様であり、その事業は中止せざるえないなど社会的影響が極めて大きい」などとしている。

(2)については「過去の更新制は特別用途食品に適用され、最初の更新期間は2年であったが4年に延びた後、平成9年に当時政府が進めていた規制緩和推進計画の一環として撤廃が実施された経緯がある」、「厳しい安全性評価がなされているトクホは20年の歴史で問題となる健康被害は起こっていない。消費者庁に新知見の報告例がないことを制度が運用されていないと判断することは妥当でなく、問題となる新知見がないので報告例がない」などをその理由として挙げる。

トクホを巡っては、2009年のエコナ問題後、消費者庁による「健康食品の表示に関する検討会」がスタートし、そのあり方を議論。「トクホ制度廃止も」などといった消費者寄りの厳しい意見も一部であがっていた。一方で、その市場規模は平成21年度に約5,500億円に達するなど、身近な食品として、多くの国民の健康の維持・増進に活用されており、一定の役割を果たしている。

2011年06月24日 20:56