総合企画センター大阪(本社=大阪市、川原喜治社長)は、7月8日に発行した「2011年 ドクターコスメの市場分析調査」(A4判120頁、製本版9万1350円〈税込〉、製本版+CD―ROM版10万1850円〈税込〉)において、2010年度のドクターコスメ市場が前年度比8・0%増の772億円だったことを明らかにした。
同社では、ドクターコスメ市場が好調な要因について、「アンチエイジングや美白、ニキビ対策などのプラス機能商品が増えたことに加え、美容液、化粧水、乳液、クリームを1本にまとめたオールインワン化粧品がヒットしたことが大きい」とみている。実際、各社とも新商品の導入や既存品のリニューアルを積極的に行い、アンチエイジングやUVカットを訴求した商品を増やしたほか、新規出店や通販事業の強化などチャネル開拓に積極的に取り組んだ。
市場を種類別にみると、スキンケアが全体の83・2%を占める642億円で最大市場を形成しており、以下、メークアップが同8・8%の68億円、ボディケアが同6・5%の50億円、ヘアケアが同1・6%の12億円となっている。スキンケアは前年度比9・4%増と好調に推移。特に、オールインワン化粧品の売上げが大きく伸長した。その他では、メークアップが前年度比3・0%増、ボディケア、ヘアケアがほぼ横ばいの推移だった。
ドクターコスメ市場のトップメーカーはドクターシーラボ(売上高303億円)で、シェアは全体の39・2%を占めている。次いで、ピエールファーブルジャポンが68億円(シェア8・8%)、資生堂が57億円(同7・3%)、ロート製薬が55億円(同7・1%)で続く。
ドクターシーラボは、前年度比19・3%増と大幅に拡大した。主力商品「アクアコラーゲンゲル」シリーズが積極的な販促活動により100億円を超えるヒットとなったほか、「BBパーフェクトクリーム」も好調に推移した。
ピエールファーブルジャポンも前年度比19・3%増と大きく伸長した。スキンケアのブランドを全面的にリニューアルしたことに加え、宣伝やサンプリングなどの販売促進が奏功し、「アベンヌ ウォーター」をはじめとするスキンケア商品が好調に推移した。
資生堂は、「イブニーズ DR」の漸減が影響し、0・9%減となった。2011年度は「dプログラム」「ナビジョン」が伸長するため、「イブニーズ DR」のマイナスをカバーするとしている。
ロート製薬は、主力ブランド「オバジ」が前年度比2ケタ近い増加で、全体でも前年度比5・8%増となった。このほか、ジョンソン・エンド・ジョンソンは百貨店・GMSなどの一般ルートの開拓を推進したことで売上げを伸ばした。
2011年度については、個別の肌悩みに特化した商品の増加や、安全・安心を訴求した商品のニーズの高まりを受け、主力ブランドのラインナップ拡充や新ブランドの投入が活発になると予想し、前年度比3・4%増の798億円を見込む。