NI帝人商事は「CITE Japan2011」に出展し、「FIBER SOLUTIONS」をテーマに自社製品や先端素材を提案した。
特に反響が大きかったのは帝人ファイバーの「ナノフロント」を30%使用したフェイスマスクで、肌への密着性と液の移行性の高さが特長である。
「シートに含浸させた液が肌に多く移行するため、肌への浸透性が高まる。肌への接触面積も高く、密着性にも優れている。昨年6月に開催された『国際化粧品開発展』での紹介を機に提案を強化してきた。最小ロットの目安は3万枚、納期は約2カ月だが、在庫を確保してデリバリーする体制が整えば、納期は短縮できそうだ。高価格帯ゾーンでの採用が多いことから、厚味のあるシートのニーズが多い。繊維の太さも調節できるが、細い方がやらわかくて保液性が高いのでシートマスクに適している」(森田高弘繊維資材第一部繊維資材第三課課長)
繊維の直径は市販のコットンが10マイクロメートル前後、シートマスクが数マイクロメートルに対し、帝人ファイバーのフェイスマスクは0・7マイクロメートル。世界のポリエステルメーカーの中でもトップクラスだという。
また、「ナノフロント」を配合した「白いあぶらとり紙」を「第2回コスメティクスジャパン」への出展を皮切りに、量販店や化粧品メーカーなどへの提案を開始した。
やわらかく、ソフトな肌ざわりで、拡散反射性で皮脂が付着しても透けにくいのが特長だ。初年度は1000万円の販売を目指す。
メークブラシの製造も手がけている。リス毛の代替品としてより低価格で品質の安定したフェイスブラシとチークブラシを展開しており、「化粧品メーカーに人工毛シリーズの企画を提案していきたい」(森田氏)としている。
同社では今後も、化粧品用途の素材や製品のビジネスを強化していく方針だ。