(社)日本通販協会(事務局・東京都港区、宮島和美会長)は2011年12月16日、7月にスタートしたサプリメント取扱登録制度の調査結果を公表した。登録企業の対象は、同協会正会員でサプリメントを販売する企業。これまでに192社が登録完了している。
同調査によれば、登録会員企業192社の売上高合計は2,667億円。サプリメント市場は、民間調査会社の推計で6,445億円ともいわれ、売上高ベースでは市場の41%を占めることになる。取扱品目は、5,456。売上高上位商品の素材は、青汁、グルコサミン、コラーゲン、ブルーベリーなどが名を連ねた。
安心・安全に関する取り組みついての調査では、原材料、製品について約9割が自社で確認。その他は製造メーカー、原料メーカー等による確認を実施していた。消費者窓口については、サプリメント専門窓口を設置している企業が、29.7%。他の窓口との併用が55.7%。対応手段は、電話がもっとも多く、メールが続いた。
広告に関しては、媒体別ではインターネットが168社で一番多く、ダイレクトメール、カタログの順となった。広告表示のチェックについては、97.9%が実施していると回答。具体的なチェック体制については、「社内CP部著でのチェック」が7割超となる141社でトップ。次いで、広告媒体の審査、メーカー・卸に確認となった。行政への確認と回答した企業は46社あった。
法制度が確立されないまま、市場の拡大が進むサプリメント業界。そうした中で、同協会は2009年に「サプリメントの取り扱いに関するガイドライン」を制定するなど、自主的に業界の環境整備を進めてきた。今回の登録制のスタートと調査結果の公表は、その具現化へ向けた大きなステップとなる。
「サプリメント業界はこれまで、規制緩和など企業側の主張を中心に動いていたが、消費者サイドにたった取り組みは少なかった。そうした反省の上に協会ではガイドラインを公表するなどしてきたが、今回の調査で企業の安全性の確認レベルなどの実態が浮き彫りなった。多くはきちんと取り組んでいるがそうでないところもある。この結果は今後自浄活動を行う上で大きな指標となる」と同協会サプリメント部会副部会長の山田養蜂場・山田英生氏は力説した。
具体的な取り組みとして同協会では、3つの施策を掲げる。(1)対応の遅れている企業を対象にしたセミナー・研修の実施(2)登録更新の1年ごとの実施(3)万一の事故発生時の迅速な対応システムの開発。(2)では今回の調査の実施も含まれており、(1)による改善効果のチェックを行う意味合いもある。
現状ではあくまでも登録することで、情報をオープンにしていくレベルの制度だが、今後セミナーなどによる啓蒙や調査結果を積み重ね、行政との連携もしっかり行いながら、実効性のある業界の浄化を推し進めていく。将来的には、他の業界団体との連携や消費者に分かりやすいマークの発行なども視野に入れ、サプリメント業界の健全化に最善を尽くす。
なお、同協会サプリメント部会の部会長はファンケル・成松義文社長。幹事社は、アサヒフードアンドヘルスケア、オルビス、キューサイ、協和発酵バイオ、サントリーウエルネス、新日本製薬、やずや、山田養蜂場となっている。