植物性ナノ型乳酸菌SNK(以下「SNK」と表記)を供給する(株)インターナショナルホームメディカル(東京都品川区)はこのほど、新たにカイコを用いた自然免疫活性のデータを取得。免疫調整に加え、加齢や環境の変化に伴う疾病の予防としても幅広く展開する。
SNKは長野県木曽地方の伝統的漬物すんき漬け由来の免疫調整を促す殺菌乳酸菌末。同地方はアレルギー罹患率が県全体の1/3と低い。その一因として、同地方で作られる赤カブ菜の無塩漬物すんき漬けに含まれる有益な乳酸菌が浮上。疫学調査でも確認されている。
SNKは、すんき漬け由来乳酸菌の中でも免疫調整に関わるサイトカインIL–12とIFN–αのバランスに優れた菌株を使用し、2010年にTh1誘導剤およびその製造方法の特許を取得している。
免疫には自然免疫、獲得免疫が存在するが、自然免疫はヒトが持つ生まれつき持っている抗体によらずにNK細胞やマクロファージ、顆粒球などが生体内の異物を速やかに排除する防衛機構。今回実施した評価系は、自然免疫を活性化する物質をカイコに注射することで、カイコの筋肉がゆっくり縮むことを発見した東京大学大学院薬学系研究科の関水和久教授研究室によるもの。
免疫細胞の活性度が高いほど、カイコの筋肉の収縮度合いが大きくなるという働きを利用することで、自然免疫を活性させる作用の度合いを知ることが可能になる。
カイコは自然免疫しか持たず、薬物の体内動態も哺乳動物とよく一致しているため、自然免疫の機構研究に最適であるとともに、倫理的な問題にも対応しているということでも注目されている評価系。その結果、自然免疫を活性化するフコイダンやβグルカンといった多糖類以上の高い活性を示した。今後は感染症予防の訴求にも力を注いでいく。
SNKは1グラムあたり2兆個以上の乳酸菌体を含有する粉末。すでに顆粒タイプ、カプセルタイプのサプリメントや機能性を不可したドレッシングなど幅広い製品をリリースしている。