2015年3月19日、「ヒアルロン酸機能性研究会」の設立が発表された。会長は、早稲田大学ナノ理工学研究機構規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門研究員教授の矢澤一良氏が務める。今年9月をめどに、第一回シンポジウムを開催の予定。
同会は、機能性素材「ヒアルロン酸」に関する研究を推進し、その成果を生活に役立てる目的で設立された。ヒアルロン酸に関する研究活動を研究者相互の交流促進により活性化し、その機能性をさらに追究、その成果を広く一般に周知し、消費者のQOL向上に役立てる。
「ヒアルロン酸は医薬品、化粧品、食品など様々な分野で活用されており、機能性に関するエビデンスも数多く報告されている。しかしながら、臨床研究や作用機序解明等の基礎的研究はいまだ十分とはいい難く、さらなる研究の積み重ねが求められます。そこで、そうしたことを活発にしながら、その内容を分かりやすくまとめ、一般の人がそのメリットを享受できるような情報発信していくことも社会貢献につながるとの考えから、この会を設立いたしました」と矢澤氏は説明した。
機能性素材については、機能性表示を視野に入れながら、消費者庁による「食品の機能性評価モデル事業」が進めらるなど、より高精度な研究が求められている。2015年4月から機能性表示制度が導入されるが、認知度の高いヒアルロン酸への注目度がさらに高まることも予想され、一般への情報発信の重要性も増す。
一方で、これまでのような専門知識だけでなく、コンプライアンスもより重要になってくる。機能性表示制度の目的が、医療費削減であり、ビジネスベースではないからだ。同会監事でコンプライアンス委員を兼任する九州大学・熊本県立大学名誉教授の菅野道廣氏は「研究者が主体となって指導的権限を持つことが大切」と研究会運営における理想のスタンスを明かした。
なお、研究会には、会長、監事の他、副会長、理事4人が名を連ね、事務局として6社が参画している。ホームページは、2015年8月ごろに開設の予定。