小林製薬株式会社は、表皮中のメラニン集合体(メラノソーム)を分解する新しいシミ対策素材を発見しました。
この発見は、できてしまったシミへのより効果的なアプローチの可能性を示唆しています。同研究成果は、2019年9月30日~10月2日にイタリア・ミラノで開催されました「第25回国際化粧品技術者会連盟中間大会 2019(IFSCC Conference 2019)」にて発表しました。
国際化粧品技術者会連盟本大会(IFSCC Conference)は世界中の化粧品技術者が最新の研究技術や成果を競い合う大会で、化粧品業界で最も権威のある大会です。
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■ 研究の背景
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シミの原因であるメラニンの生成経路はとても複雑です。紫外線があたると、表皮細胞から様々な情報伝達物質が出され、メラニン生成の命令となります。命令を受け取った色素細胞(メラノサイト)はメラニンを作り、メラニン集合体(メラノソーム)として表皮細胞に渡します。渡されたメラノソームが分解や排出されずに表皮内に蓄積することでシミとなって現れます。
このようにメラニンは様々な経路を経て作られており、どこか一ヵ所を阻害すればシミを完全に抑制できるものではないため、メラニン産生を抑えることのみによるシミの抑制はとても困難でした。
そこで同社は、表皮内のメラノソームに着目し、これを分解することが効果的なシミの根本解決につながると考え、メラノソーム分解能を向上させる素材の探索を行いました。
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■ 研究結果 ダイジェスト
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1.ビタミンC誘導体(L-アスコルビン酸 2-グルコシド)、ホオノキ抽出液、プルーン酵素分解物の3成分を組み合わせることで、高いメラノソーム分解能が示された。
2.3成分の併用で、3次元培養皮膚モデルにおけるメラニン生成が大幅に抑制された。
3.ヒトでの試験においても、3成分配合クリームによって高い色素沈着抑制効果が示された。
【詳細は下記URLをご参照ください】
・小林製薬株式会社 2019年10月17日発表
・小林製薬株式会社 ホームページ