丸善製薬株式会社の特許第6246859号「Tie2活性化剤、血管の成熟化剤、血管の正常化剤、及び血管の安定化剤、並びにTie2活性化用飲食品」(エントリータイトル:Tie2活性化によるゴースト血管対策、主幹:大戸信明 上席主任研究員)が、令和5年度中国地方発明表彰において、広島県知事賞を受賞しました。
当該特許および関連する研究成果は、同社にて販売中の食品原料「Tie2ヒハツエキスパウダーMF」「ヒハツエキスパウダーMF」「ヒハツ乾燥エキスF」などの開発に反映されています。
地方発明表彰について
「地方発明表彰」(主催:公益社団法人発明協会、共催:全国道府県発明協会)は、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的として大正10年に創設されたものです。
全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地方における優秀な発明、考案、意匠が顕彰されます。
「ゴースト血管」対策の重要性
近年、動脈硬化などが起こる太い血管だけではなく、全身の血管の95%以上を占める毛細血管の健康維持の重要性が広く知られるようになりました。
毛細血管の老化は、認知症や骨粗しょう症、生活習慣病、視覚機能低下、むくみなどに加え、肌や毛髪の状態など美容面にも悪影響を与えることなどが報告されています。
同社では、10年以上にわたり、毛細血管が老化・消失してしまう、いわゆる「ゴースト血管」を防ぐ機能性成分の研究開発を推進してまいりました。また、日本記念日協会により、「ゴースト血管対策の日」(10月20日、申請者:Tie2・リンパ・血管研究会)が制定されるなど、その重要性がメディアでも注目されるようになっています。
Tie2とは
毛細血管の構造を安定化させ、ゴースト化を防ぐため、生体内因子であるTie2(タイツー)の役割と、Tie2を活性化させる機能性成分が注目されています。
毛細血管は血管内皮細胞と、それを外側から覆う壁細胞からなり、細胞同士が強く結びつくことでその構造が安定化します。Tie2は血管内皮細胞に発現する受容体であり、細胞同士の接着をコントロールすることで、健康な毛細血管の維持に極めて重要な役割を果たしています。
ヒハツとは
ヒハツ(ナガコショウ、ロングペッパー)は、東南アジアに分布するコショウ科の植物で、蔓性の常緑木本であり、果穂は多肉質の円筒状で、乾燥物は香辛料として利用されています。
沖縄では「ひはち(ふぃふぁち)」と呼ばれ、琉球料理の薬味として利用されています。
中国やインドでは昔から、体の冷えの改善に用いられてきました。
丸善製薬では、ヒハツ抽出物にTie2活性化作用を見出し、「Tie2ヒハツエキスパウダーMF」「ヒハツエキスパウダーMF」「ヒハツ乾燥エキスF」にその知見を応用し、食品原料として販売しています。
また、ヒハツ由来ピペリン類を機能性関与成分として「冷え」や「むくみ」に関する機能性表示食品の届出受理実績があります。