築野グループ株式会社と株式会社マツモト交商は共同研究により、希少な米由来の紫外線吸収剤「フェルラ酸」について、高濃度で配合する際の課題であった溶解性と安定性をクリアした新しい日焼け止めスティックの処方開発に成功いたしました。
●フェルラ酸について
フェルラ酸は、同グループが世界で初めて米ぬかから大量生産を可能にしたポリフェノールの一種です。その高い抗酸化作用から、アルツハイマー型認知症の予防や、糖尿病・高コレステロール血症への効果が期待されるだけでなく、バニラの香り成分であるバニリンの天然由来原料であり、幅広い分野で応用されております。化粧品用途としてはチロシナーゼ活性阻害としてメラニンの生成を抑制する効果、抗炎症効果もあるため美肌にも効果的な素材です。これまでもアクティブ素材として様々な化粧品に配合されている成分です。
●フェルラ酸の紫外線吸収効果について
フェルラ酸(FA)は一般的に広く日焼け止めに使用される紫外線吸収剤メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(EHMC)と比較しても遜色のない紫外線吸収能を持つことが知られております。昨今、EHMCなど一部の石油由来の紫外線吸収剤はサンゴ礁などの自然環境に対する懸念の声もあり、世界的に忌避する傾向がでてきました。フェルラ酸は、これら紫外線吸収剤の環境に対する懸念点や、不快なテクスチャーもないため幅広い用途での潜在ニーズが想定されます。
●フェルラ酸高配合で安定なUVケア処方の開発
世界でも希少な「天然由来の植物性紫外線吸収剤」として認識されていましたが、UVケアに必要な高濃度の処方量を配合する際に、溶解性と安定性の2つの課題をクリアする必要がありました。マツモト交商の高い製剤化技術の応用により確立された新処方では、それらの課題をスティック製剤にすることで解決いたしました。この処方は天然由来紫外線吸収剤のフェルラ酸のみでin vitroでSPF50+とPA++のデータを取得しており、現在特許出願中です。
築野グループ株式会社 2024年1月19日 発表
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