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東洋新薬 『大麦若葉末』に新たな効果-潰瘍性大腸炎を予防-

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、大阪青山大学との共同研究にて、これまで『大麦若葉末』の大腸がんへの影響を確認してきましたが、新たに潰瘍性大腸炎抑制作用を動物試験により確認し、日本食物繊維学会第17回学術集会において発表いたしました。

■大麦若葉末とは
『大麦若葉末』は、イネ科オオムギの若葉部を乾燥、微粉砕加工した機能性食品素材です。臨床試験において、便通改善作用を有することを確認しており、大麦若葉末を関与成分とした青汁が平成22年8月23日付けで便通改善作用を許可表示とした特定保健用食品の許可を受けております。

同社は、大阪青山大学 健康科学部 片山 洋子 教授との共同研究において、これまで大麦若葉末の大腸がんに対する研究成果を第5回国際食物繊維シンポジウム(5th International Dietary Fiber Conference 2012)などで発表してきました。

今回同社は、新たに大麦若葉末の潰瘍性大腸炎抑制作用を動物試験により確認し、日本食物繊維学会第17回学術集会(2012年11月23日(金)~24日(土)、福岡・中村学園大学)において発表いたしました。

■研究のポイント
潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜に潰瘍やびらんができ、血便や下痢、腹痛といった症状がみられる炎症性疾患で、厚生労働省より特定疾患(難病)に指定されています。根本的な治療法がなく、一度発症すると慢性的に症状が続き、長期的な治療が必要となってしまいます。潰瘍性大腸炎の原因はまだ明確になっておりませんが、食の欧米化などが一因であると考えられています。そのため、潰瘍性大腸炎予防のための食品の研究や開発が重要であると考えました。今回我々は、潰瘍性大腸炎モデルマウスを作成し、大麦若葉末の潰瘍性大腸炎抑制作用を検証しました。

■発表骨子
8週齢雄性BALB/cマウス〔注①〕を、大麦若葉末群(大麦若葉末を3%配合させた飼料)と対照群(大麦若葉末を含まない普通飼料)に分け、最初の8日間はそれぞれの飼料のみを摂取させました。その後、それぞれの飼料を摂取させながら潰瘍性大腸炎誘発物質〔注②〕を5日間投与後、一晩絶食させ、エーテル麻酔下で採血、解剖を行い、大腸を摘出しました。大腸は染色後〔注③〕に画像解析を行い、炎症の程度および炎症部位の割合を算出しました。また、炎症の指標として血清サイトカイン〔注④〕を測定しました。

その結果、大麦若葉末群では、対照群と比較して大腸における炎症の程度が弱まり、炎症部位の割合も減少しました。また、炎症性の血清サイトカインも有意に減少しました。

このことより、大麦若葉末は炎症に対する免疫系を制御することによって、大腸粘膜の炎症を緩和していることが示唆されました。

東洋新薬は今後も大麦若葉末を用いた独自性の高い商品を開発し、より一層の拡販に注力して参ります。

〔注①〕BALB/cマウス
炎症や免疫学の研究に一般的に用いられるマウス。

〔注②〕潰瘍性大腸炎誘発物質
デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を使用。潰瘍性大腸炎モデルマウスを作成する際に一般的に投与される物質です。

〔注③〕大腸の染色
大腸をホルマリン固定後に、アルシアンブルー染色を実施。大腸粘膜の炎症部位が濃い青色に染色されるため、肉眼的に炎症を観察でき、潰瘍性大腸炎を評価することができます。

〔注④〕血清サイトカイン
細胞から放出され、種々の細胞間相互作用を媒介するタンパク質の総称。炎症や免疫の制御において重要な役割を担い、数多くの種類が存在します。潰瘍性大腸炎では血液中のIL-6(インターロイキン-6)などが上昇するため、本研究では指標としてIL-6を測定しました。

2012年11月26日 17:55