株式会社資生堂は、水や汗による日やけ止めの機能低下を防ぎ、レジャーを含む様々な生活シーンにおいて、紫外線から肌を守るより強力な技術を追及してきました。最新の研究成果として、肌に塗った日やけ止めが、水や汗に触れると、これらに含まれるミネラルによって水を弾く撥水性を高めるとともに、強固で均質な厚さかつ滑らかな膜を形成し、紫外線防御効果が落ちることなく高まる(120%※1)、これまでの常識を覆す革新的な日やけ止めの新技術 WetForce(ウェット フォース)の開発に、世界で初めて成功しました(図 1、特許出願済)。本技術は、来春発売予定の日やけ止め商品に応用していきます。※1 モデル処方、水に触れる前の紫外線防御効果を 100%とした場合の値
◇開発の背景 資生堂では、日常生活から過酷な紫外線条件下まで、紫外線のあらゆる悪影響から肌をしっかり守りたいというお客さまのニーズに応え、塗り心地がよく、極めてやけにくい紫外線防御効果とともに、スポーツ後やプール・海に入った後にも紫外線防御効果が低下しにくい耐水性(ウオータープルーフ性)に優れ、しかも洗浄料や石けんで簡単に落とせる専用クレンジング不要の日やけ止めの技術を開発してきました。
これまでの日やけ止めの技術では、水や汗に触れると紫外線防御効果がどうしても低下してしまうため、低下をいかに抑えるかという研究開発をしてきました。資生堂は、水や汗に含まれるミネラルなどに着目し、『水や汗に触れることによって塗布膜の機能が高まり、紫外線防御効果を高められないか』という逆転発想で、新たな研究開発に着手しました。
◇WetForce の研究開発 水道水や海水、汗に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオン等のミネラルと、日やけ止めの膜を形成する成分の関係に着目し、研究開発を進めました。その結果、〝「イオニックミネラルセンサー」を見出し、水や汗に含まれるミネラルと結合して日やけ止めの撥水性を高めるとともに、強固で均質な厚さかつ滑らかな塗布膜にするWetForceウ ェ ッ ト フ ォ ー ス技術〟の開発に成功しました。これまで開発してきた専用クレンジング不要の洗浄性や心地よい使用感という特長に加えて、この新技術を日やけ止めに商品に順次、搭載していきます(図 2)。
一般的に日やけ止めの紫外線防御効果は、同じ種類、同じ量の紫外線吸収剤が入っていても、肌上の膜の均一性によって大きく異なります。例えば、肌上で紫外線を全面 99%カットする均一な膜の状態の日やけ止め(A)と、90%カットする部位と 99.9%カットする部位が半分ずつ存在する不均一な膜の状態の日やけ止め(B)では、紫外線防御効果は日やけ止め(A)が 5 倍も高くなります※2。このように、膜の均一性は紫外線防御効果を高める重要な機能ですが、これまでの日やけ止めでは水や汗に触れると膜の均一性が低下し、紫外線防御効果が低下してしまうことが常識で、この低下をいかに抑えるかという課題に向けた研究開発が行われてきました。
今回開発した新技術「WetForceウ ェ ッ ト フ ォ ー ス」は、塗布した後、水や汗に触れると膜が強固で均一かつ滑らかになり紫外線防御効果がさらに高まる、これまでの常識を覆す革新的なものです。本技術によって、資生堂は生活のあらゆるシーンでより強力に紫外線から肌を守る日やけ止めをお客さまに提供し、強烈な太陽光の下でもよりアクティブに人生を楽しめるライフスタイルを今後も積極的に提案していきます。
※詳細は下記URLをご参照ください
◎ 株式会社資生堂 2014年11月7日発表(PDF)
http://www.shiseidogroup.jp/releimg/2356-j.pdf
◎ 株式会社資生堂
http://www.shiseidogroup.jp/