トヨタマ健康食品(株)(東京都中央区、井上晃社長)はこのほど、岩手県北上市の農業生産法人更木ふるさと興社(小原孝也社長)と業務提携した。同興社を技術と販売面からサポートし、地域活性化や桑製品の認知向上などを図る。
提携内容は、桑製品の加工技術などのノウハウを持つ同社が同興社に対し、その技術と製造後の販路開拓を担うというもの。資本参入はせず、あくまでもテクニカルな側面での支援に注力することで、地域の雇用創出などにも貢献する。
「そもそもは、当社が桑の研究を岩手大学に依頼していたのが現地との接点。そうした中で、地元で桑の加工場ができないものかという流れから、地元住民有志によるふるさと興社が立ち上がり、トントン拍子に話が進み、実現したのがこのプロジェクト。当社としては、良質な桑をつかった安心・安全な加工品が生産できることで、桑の認知度アップに貢献できると考えています。さらに、衰退する現地養蚕農家がこの提携により雇用などの創出につながり、地域が活性化してくれればと思っています」と同社担当者。
技術と販路開拓を担う同社は、現地の桑茶加工場に加工機械を導入し、技術指導を行うスタッフを派遣。現地の有志は、桑の栽培、収穫、現地の加工受託を行う。岩手大学は、学術面でのサポートを行い、北上市も行政としてこのプロジェクトを支援する。産官学民による、同プロジェクトで、同社は、アンチエイジングなど様々な機能性が報告される桑の認知度を上げつつ、地域活性化にも貢献するなどし、市場拡大を図る。
同社では、将来的に国産桑は同地産のものに集約する意向で、ブランド化も視野に入れる。現地では、同社との提携による雇用創出など、経済面での活性化にも期待を寄せているといい、そうした側面での展開も注目される。