(株)ファンケル(神奈川県横浜市、成松義文社長)は25日、アジア戦略強化に向けた資本・業務提携について、同社臨時取締役会で決議したことを発表した。同提携により、同社が“グローバル化元年”と位置づける2009年のステップとして、ファンケルブランドの世界規模の認知向上と成長を目指す。
同社がアジア戦略のパートナーとして資本・業務提携したのは、香港、マカオを拠点にファンケル化粧品および健康食品の輸入販売を行うFantastic natural cosmetics limited(FNL社)および中国大陸におけるファンケル化粧品および健康食品の輸入販売を行うFantastic natural cosmetics (china)limitedfantasticnatural(FNCCL)およびチャン・ツー・ミン・クリストファー氏およびマン・ムー・ラン氏(以下C&M氏)。C&M氏および両社とは平成8年度より同社の海外市場進出の一環として独占代理店契約を締結するなどのパートナー関係にあったが、新たに資本関係を持つなどで関係強化することで、アジア市場での一層の販売力強化、商圏拡大を図る。
提携の具体的内容は、同社がC&M氏が保有するFNL社およびFNCCL社株式のうち各々40%を約98億円で譲り受ける。同社が第三者割当による自己株式の処分を行い、同社発行済み株式総数の5.5%に相当する360万株を、総額41億4000万円でC&M氏に譲渡するなど。これにより、クリストファー氏が代表を務めるCMC Holdings Limitedが持株比率10.05%の主要株主となる見込み。
提携により、共同での商品開発や店舗開発なども行い、国内外のブランドを統一。ブランドイメージを確立することで同じコンセプトのもとでアジア市場を強化。役員の相互派遣などにも踏み込み、世界市場も見据えた基盤を築き上げる。今回の提携に関し、成松社長は「2009年はグローバル化元年と位置づけている。今後海外戦略は当社の柱となるもので、全世界の女性に素肌美実現が使命と考えている。その実現のためにも今回のパートナー関係強化はその具体化を加速できる」と力強く話した。
FNL社の2008年の売上高は100億円弱、店舗数は香港32店舗、マカオ2店舗。FNCCL社は約80億円、店舗数は中国24都市79店舗。いずれもアジアでの日本製化粧品の人気などもあり、店舗数、売上高ともに急増している。また、資本・業務提携にあたり、香港に合弁会社Ease Ventures Limitedを設立し、2社以外のエリアをカバー。3社で全アジアでの同社製品販売を視野に入れる。