東名化学工業(東京営業所、東京都千代田区)は、スリーブ状の紙を接着剤なしでプラスチック容器に装着できる「エコスリーブ」を開発した(特許出願中)。優れた意匠性や断熱効果が期待されるほか、使用後はスリーブと容器を簡単に分離して、それぞれリサイクルが可能だ。
エコスリーブの装着原理は、容器底部にスリーブを係止する突起部があり、これがスリーブを保持する仕組み。スリーブに設けられた“ジッパー”から簡単に開封、容器から分離できる。ジッパーは最後まで引いても一部がスリーブに残り、スリーブとは完全に分離しないなど、廃棄の手間も考慮した。スリーブは使用後も汚れがなく、そのままリサイクル可能。使用済み容器も洗うことでリサイクルできる。
意匠などの印刷はスリーブに行うため、本体容器は無地のままでよく、在庫管理が容易という点も見逃せない。スリーブは紙素材なので折りたためるため、保管にかさばらない。スリーブへの印刷は美しい写真印刷も可能で、通常のプラスチック曲面印刷に比べ訴求力は飛躍的に高まるものと期待。またスリーブへの裏印刷も行えることから、情報伝達量を大幅に増やせる点に注目だ。これらはオフセット印刷で小ロット対応も可能になっている。
このほかスリーブ裏面へのキャンペーン性に富む“スクラッチ印刷”や、シルク印刷を用いユニバーサルデザインを考慮した“点字印刷”などにも対応する。
紙スリーブに強度を持たせれば、プラ容器を薄肉化し、使用樹脂量の削減にも貢献。このような紙スリーブの機能から、アイスコーヒーなどのコールドドリンクの結露防止にも効果が期待される。
さらにスリーブ原紙の厚みを上げたりプラ容器にリブを設けることで断熱効果が発現し、ホットコーヒーやスープなどのホットドリンンク容器として対応可能。紙スリーブを“取っ手付き”にすることもできる。さらに同社では、FSC認証(森林認証制度)の紙をスリーブに使用することで、より高い品質・安全性の保証を需要家に提案可能としている。