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省資源効果もある”部分糊”に熱い視線

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ロール紙にホットメルト塗布専用の間欠輪転印刷機で、糊を変幻自在に塗工することができる技術を確立した佐々木印刷(岩手県北上市)は、部分糊というシール・ラベルや伝票、ビジネスフォームといった製品はもちろん、糊で精密で微細な文字やデザインを描画したユニークな粘・接着製品の提案で、物流や流通業界をはじめ、学習教材・がん具メーカーなどから熱い視線が注がれている。

糊面の一部分だけ粘着が不要だというPOPラベルなどの場合、粘着加工が施されたタック原紙からコンバーティングを行うために、一般には“糊殺し”という手法が使われている。この手法は糊面にシリコーン樹脂を含有した透明インキをコーティングすることで粘着力を弱めるという加工技術だ。

佐々木印刷が確立した間欠輪転印刷機による粘着塗工は、必要なところに必要な量だけといった部分糊加工ができる。その結果、粘着剤使用量の削減と、糊殺しのコーティング剤が不要になることから、省資源効果は大きく、CO2削減にも貢献するとしてエンドユーザーから高く評価されている点だ。

同社が導入し運用しているホットメルト塗布専用の間欠輪転印刷機は、フレキソ印刷(凸版)方式で、微細な文字や精密なデザインを描画したシリコーン素材の版で、糊(ホットメルト)をロール紙に塗布(印刷)するというもの。糊には弱粘着、中粘着、強粘着に常時対応でき、屋外での用途にも耐える超強粘着といった要求にも応える。

糊をフレキソ方式で印刷するため、糊量がコントロールできる。また、糊に顔料や樹脂、金属などのマスターバッチを添加して、様々な用途への展開も可能に。すでに、同社では金属系のマスターバッチによっては、タグ・ラベル用のインレイ(RFID関連)のアンテナにも応用でき、縫製関係の工場のラインでトレース用途としての製品開発も進めている。

台紙のない流通向けラベルで、オートラベラーのカッターが入るところだけが糊のないサーマルラベルも開発。カッターに糊が付着しないので、オートラベラーの長時間運転を可能にするサプライだ。

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同社はそのほかにもシール・ラベル印刷加工の技術を駆使し、機能性に富んだラベル・ソリューションを数々と提案している。その代表的な提案では、セパレーター(台紙)のないシール「ハグレス」だ。「ハグレス」にはテープ状に巻いたロールタイプと、ラベル2枚を合掌状に積層した枚葉タイプがある。使用中に台紙が発生しないので、事業系廃棄物費用の削減が図れるという特長のほか、台紙がない分だけ輸送時の積載効率、倉庫内での保管効率も高くなるというメリットを備えている。「ハグレス」の表面には特殊コート加工を施し、ペンや鉛筆でも文字を書き込みできるという特長も備えている。

さらに、台紙がなく、印刷面に剥離剤をコーティングして、ラベル1枚1枚をずらして重ねてテープ状にした「連ラベル」は特許も取得、流通業界への提案として注目を集めている。