(株)NBCメッシュテック(東京都日野市、石塚昭夫社長)は、新たな抗ウイルス技術「Cufitec?」を活用した高性能マスクを2009年11月初旬より販売開始する。法人向けに備蓄用として展開し、将来的には市販化も視野に入れる。
同製品は、新発見の抗ウイルス材と、同社独自の機能性無機ナノ粒子固定化技術「NafitecR」を組み合わせた新技術を活用した高性能マスク。マスク表面でウイルスを固着し、短時間で不活性化して、マスク着脱時や廃棄時のウイルス拡散・感染リスクを低減するなど、従来のマスクの弱点をカバーする機能を備える。
「従来の抗ウイルスマスクでは例えば、液体では抗ウイルス能を素材表面に付加できなかったり、光触媒の場合は不活性化に長時間要する、光がないと作用しないなどの弱点がありました。この製品では、独自の技術で抗ウイルス材を不織布などの素材表面に固定化できるため、ウイルスを表面で固着し、短時間で不活性化することができます」と同社研究開発部で工学博士の中山鶴雄氏は説明する。
同製品は、マスク表面で瞬時にウイルスを固着するため、意外な盲点となる着脱時の手や衣服への感染リスクを低減できる。また、固着したウイルスは60分間で99.9999%不活性化することも第三者機関の試験でも証明されている。さらに、不活性化の効果は5日間持続し、使い捨てが常識とされるマスクとは一線を画し、コスト削減やエコの面にも貢献する。
同社では、新技術「Cufitec?」を今後、防護服関連、寝具、空気清浄機などへも展開する計画で、まずは同技術活用第一弾となるインフルエンザ対策高性能マスクで2009年度1億円、2010年度8億円、2011年度15億円の売上を目指す。
また、新規抗ウイルス・抗菌技術について、10月21日の「第82回日本生化学会大会」(神戸ポートピアアイランド)、「第57回日本ウイルス学会学術集会」(10月25日~27日=都市センターホテル・東京都千代田区)で発表するなどし、その認知向上を進める。
税込の価格は、マスク1枚あたり200円(1段ボールケース30カートン入り)。なお、同社は、創立75周年を機に2009年10月1日より称号を「NBC(株)」から現社名へ変更した。