トーツヤ・エコー(埼玉県戸田市)は、抗菌加工および光触媒加工を用いた印刷物表面加工について、昨今の社会ニーズを踏まえた「安心・安全」が前面の展開を強化する。特に同社が使用する抗菌剤について、従来からの抗菌効果に加え、一部のウイルスに対しての抗ウイルス効果が認められたことから、包装分野も含めた多分野への攻勢に弾みを付けたい考え。
抗菌加工は、平成7年から印刷物を対象に「レジステックOPPラミネート」「レジステックプレスコート」の開発からスタートし、幼児向け雑誌を中心に採用を伸ばした。また同18年には抗菌機能に加え防臭効果を併せ持つ光触媒加工「V‐CATコート」を開発し、カレンダーや生活総合カタログの表紙で実績。さらに昨年は、従来の抗菌加工品より光沢や平滑性に優れる「抗菌トランスタバック」も上市、学校教材や雑誌表紙などに採用されている。
このような中で同社は10月13日に記者会見を行い、「抗菌剤メーカーの研究により、現在当社が使用している抗菌剤に、従来からの抗菌効果だけでなく、抗ウイルス効果があることも分かってきた。実際にSARSウイルスやA型インフルエンザウイルスに対しての効果が抗菌剤メーカーで確認されている」と発表。いずれの加工も、まだ包装分野では実績を持たないが、衣食住の安全に対する関心が全国的に広まっていることから、食品・非食品を問わず採用への期待も高まりそうだ。