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健康関連日本ナンバーワンECサイトが世界進出するワケ

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()ケンコーコム(東京都港区、後藤玄利社長)20091026日、世界進出を視野に入れ、同社の海外版ECサイト「kenko.com Singapore(http://sg.kenko.com/)をオープンした。同サイトは、新たに設立された同社100%子会社の「kenko.com Singapore Pte.Ltd(シンガポール、朝倉大輔代表)が運営する。

 20005月の発足から9年半。ケンコーコムが、ついに当初から描いていた海外展開への第一歩を踏み出した。「昨年2008年度、売上高が100億を突破した。健康関連を販売するECサイトとしては国内最大級と自負している。ただ一方で、国内市場に閉塞が漂っていることも確か。そうした中で、まずはアジアナンバーワン、そして世界へと目を向け、シンガポールを拠点に海外展開への第一歩を踏み出すことになった」と同社後藤社長は、経緯を説明した。

 シンガポールを拠点とした理由は5つ。“強靭な物流インフラ”、“充実したIT環境”、“多言語に適応した人材”、“透明なルール”、“企業成長を促す国の姿勢”。同地を拠点に同社は、年内にまずは100万人以上といわれる海外在留邦人向けにEC事業をスタート。来年には、サイトの中国語、英語版にも着手し、アジア全域へ事業展開を拡大する。

 アジアのEC市場は、急伸する中国や拡大を続ける韓国、台湾など、1兆円以上の規模で推移。国内同様成長が著しく、後藤社長は「成長性あふれるアジアのECマーケットを取りにいく」と世界進出も視野に入れるだけにその鼻息は荒い。特にアジア市場では、クオリティの高い、日本製品へのニーズが多いことから、自ずとその口調には自信がにじむ。

 6月に完全施行された改正薬事法により、同社の今年度の売り上げ見込みは、年間で5億円消滅する。その「補填策」との見方こそ否定するが、後藤社長は「国内の法体制は遅れており、海外に比べ著しく閉鎖的で結果、競争がいびつになっている。このままでは世界のスタンダードから取り残される」と皮肉たっぷりに、このタイミングでの海外進出について言い放った。

 実際、「ケンコーコムシンガポール」では薬事法の縛りを受けず、国内では認められないネット上での第1類、第2類医薬品の販売ができる。もちろん、日本国内から個人輸入で同サイトを経由し、第1類、第2類医薬品を購入することは可能。こうした法の矛盾に加え、9月以降も省令を無視して医薬品の販売を続けている事業者が後を絶たないことなども、同社が海外進出を加速させた要因といえる。

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医薬品のネット販売については、同社は国を相手取り、裁判を続けている。1224日の4回目の口頭弁論をもって結審の予定だが、それが終わっても同社は、理不尽といえるネットでの医薬品販売規制について徹底抗戦を続ける構え。法廷では、法に則り静かに戦い、市場では世界を視野にグローバルに躍動する。設立10年を前に、順調に成長を続けてきた同社は、健康関連製品のナンバーワンECサイトとして、1歩たりともその歩みを止めるつもりはない。

 なお、同サービスの販売方法は、個人輸入で、支払い方法は日本円決済によるクレジットカード。送料は、8,000円以上の場合無料、それ未満の場合は一律650円。在庫があれば、1週間程度で届くという。当初は需要の多い第1類、第2類医薬品、排卵日検査薬など約2,500商材を取り扱う予定。