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OEMの古参が子会社から化粧品通販を始動

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化粧品受託製造業を展開している東陽化成 (本社東京都) はこのほど、 子会社のビーアンドオー研究所 (坂東義宣社長) を通じスキンケア化粧品の販売を開始し、 肌再生機能があるというカタツムリエキスの有用性と希少性を前面に出すことで通販と卸の2チャネル展開から売上増大を狙っている。

南米では古くから肌荒れや火傷に改善効果があると認識されているという同エキスは、 カタツムリが放出する粘液に含まれる球状タンパク質から抽出~精製したもので、 同社は悩み肌対応の化粧品成分として有用性を見出したのち、 本採用までに3年間をかけ検討を重ねていた。 坂東社長は 「外国の機関が認証していても国内に汎用性がなく、 エビデンスの確保に時間を要した」 と話している。

また、 対象としてイメージする愛用者層に関し、 同社長は 「健常な肌を持った人の 『より美しく』 を満たす商品は市場に沢山ある。 これは肌の弱い人の改善を手助けするもの」 だと位置づけている。

さらに、 社歴のうえで初めての小売展開となる化粧品通販に関し、 「当面は売上目標を立てない。 まず初年度はアナウンスに徹するなかで (珍しい素材の) 認知度を高めていきたい」 と抱負を語っている。

原材料はアルゼンチンの自然繁殖場で採取し、 チリで精製したのち世界45カ国へ出荷している。 商品ラインナップは 「エスカルソープ」 (80g2500円)、 「エスカルローション」 (120mL3800円)、 「エスカルクリーム」 (60g3800円) の3種類構成で、 主軸と見る 「ソープ」 を中心にした拡がりからセット利用を推奨していく。

通販広告の露出は、 すでに関西地方と中部地区で地元紙を媒体に展開しており、 今後は九州での出稿を予定している。 これまでの広告レスポンスに関し、 坂東社長は 「まだ“変わりモノ”が好きな人の関心を引いている程度」 だと現状を説明している。

一方、 卸については品揃えで他店に差異化したいサロン事業者を対象にするほか、 「手作業による工程があり、 生産背景としてあまり作り込めない」 ことからメーカー卸は行わない方針としている。 このほか、 バルク販売や本業に絡めたOEM受注も行う。 従来は“黒子”に徹してきた受託製造者の小売業進出は、 要注目といえそうだ。