JAFCA (日本ファッション協会 流行色情報センター) は10月13日、 「2010年春夏シーズントレンドカラー」 記者発表会を開催した。
「ファッションカラー」 は、 世界の色彩予測に先駆けて当該シーズンの2年前に選定されたインターカラーの傾向を反映している。 発表会ではディレクターの出井文太氏が、 これまでのインターカラーの動向について説明後、 2010年春夏 JAFCA レディスウェアカラーの説明を行った。
出井氏はインターカラーの動向について、 「近年、 インターカラーは、 経済状況を反映して 「動」 から 「静」 への動きを見せている。 日本はバブル崩壊後長い不況が続き、 経済先進諸国も軒並み不況が続いていた。 そういう時期は気持ちが静か、 慰め、 癒しといった方向に向かうので、 カラートレンドもずっと静かなトレンドが続いていた。
ところが、 ようやく日本も含め経済先進国の景気が良くなり始めた2005年~06年、 未来に向けた積極的な気持ちが反映され、 トレンドが 「動」 へと変わり始めた。 カラートレンドもまた動きのあるトレンドのピークを迎え、 人工、 科学、 モダン、 フューチャーをイメージした鮮やかな色を特徴とした。 この 「動」 のトレンドは、 09年春夏カラーでピークに達し再び静かな方向に戻る動きを予測していたが、 アメリカのサブプライムローンの焦げ付き問題を背景とした世界同時不況が影響し、 実際には 「静」 のトレンドへの立ち戻りが早まる結果となった。
インターカラーでは、 09年秋冬から再び落ち着きを取り戻した静かなカラーが提案され、 10年春夏カラーもこの傾向を受け 「静」 の方向にある。 しかし、 「静」 が基調ながらも、 対照的な 「動」 のイメージが併存していることが大きな特徴である」 と説明した。
10年春夏インターカラー静かな方向表す弱い色が基調に
10年春夏インターカラーは、 静かな方向を表す弱い色や薄められた色を基調としている。 具体的にはクールカラーと色味の少ないニュートラルカラーで構成されたグループ、 霧、 風、 水、 空気など触れることができない物体をイメージした淡いニュートラルカラーグループに属する色が中心となっている。 また、 ブラウン系のアースカラーグループとブライトやビビッドトーンの強い色のグループを継続カラーとして選定している。
この傾向を受けて選定された10年春夏JAFCAレディスウェアカラーは、 ホワイト、 オフホワイトからライトグレー、 ライトベージュにかけての明るいニュートラルカラーをトップトレンドとし、 サブトレンドにきれいなパステルカラー、 アクセントカラーはブルー系とレッド系の色相を重視している。