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花王、中間期は8.9%減収、経常益16.6%減

花王は10月27日、 2010年3月期中間決算を発表した。 売上高は前年同期比8・9%減の5990億5100万円、 営業利益が16・7%減の455億8400万円、 経常利益が16・6%減の458億6100万円、 純利益が22・1%減の252億3700万円となった。 

売上高は、 ファブリック&ホームケア事業が伸長したものの、 不況の影響で市場が縮小したプレステージ化粧品の低迷や、 対象業界の需要減などによって売上数量が大幅に落ち込んだケミカル事業の影響などにより減少を余儀なくされた。 

利益面では、 天然油脂や石化原料を中心とした原材料価格の低下が売上原価の改善に大きく寄与し、 さらにコストダウン活動の推進やマーケティング費用の効率化などに取り組んだものの、 売上減少の影響を大きく受けた。 

セグメント別売上高は、 ビューティケア事業が8・1%減の2756億円、 ヒューマンヘルスケア事業が0・3%増の979億円、 ファブリック&ホームケア事業が1・5%増の1410億円、 ケミカル事業が28・6%減の1006億円。 所在地別売上高は、 日本が1・5%減の4705億円、 アジアが26・6%減の619億円、 米州が22・5%減の402億円、 欧州が30・1%減の528億円となっている。 

市場の低価格化傾向を受けプレステージ化粧品が11・0%の減収に

ビューティケア事業では、 プレステージ化粧品の売上げが前年同期比11・0%減の1307億円 (為替変動の影響を除く実質は9・9%減) となった。 市場の低価格化傾向の中で、 中価格帯と高価格帯の市場が冷え込み、 また店頭在庫の圧縮による影響も受けた。 プレミアムスキンケア製品の売上げは、 国内では 「キュレル」 や 「ビオレu」 が順調に推移したことにより伸長したが、 円高による為替変動の影響と欧米の個人消費の冷え込みにより減少した。 プレミアムヘアケア製品の売上げは、 国内ではヘアカラー 「ブローネ 泡カラー」 が好調に推移したことにより伸長した。 

ヒューマンヘルスケア事業は、 フード&ビバレッジ製品でエコナ関連製品は販売自粛により減少したが、 ビバレッジ製品では、 脂肪を消費しやすくする初めての炭酸飲料 「ヘルシア スパークリング」 を発売して愛飲者を拡大したことにより、 売上げを伸ばした。 サニタリー製品では、 売上げはほぼ横ばいとなった。 国内では、 生理用品 「ロリエ」 が厳しい競争環境のなか減少したが、 ベビー用紙おむつ 「メリーズ」 が順調に推移した。 アジアでは、 「ロリエ」 が為替変動の影響を除いた実質の売上げを拡大した。 パーソナルヘルス製品では、 歯みがきが 「クリアクリーン チェンジ」 の発売などで好調に推移したが、 入浴剤が伸び悩んだことなどにより、 売上げは横ばいとなった。 

ファブリック&ホームケア事業は、 ファブリックケア製品で濃縮液体洗剤 「アタックNeo」 を発売し、 洗濯仕上剤でも柔軟仕上剤 「ハミングフレア」 や漂白剤 「ワイドハイター」 が好調に推移したことにより、 売上げを伸ばした。 ホームケア製品では、 食器用洗剤 「キュキュット」 が順調に推移したことに加え、 住居用洗剤 「パイプハイター」 や 「洗たく槽ハイター」 などの新製品を発売してブランドの強化を図り、 売上げを伸ばした。 

通期業績は、 消費者の生活防衛意識の強さ、 個人消費や民間設備投資の低迷などの事業環境の中、 プレステージ化粧品やケミカル事業の先行き不透明感、 海外事業の為替換算による影響などを考慮し、 下方修正した。 売上高が前期比7・2%減の1兆1850億円、 営業利益が8・1%減の890億円、 経常利益が7・0%減の880億円、 当期純利益が36・4%減の410億円を見込む。

2009年11月10日 17:06