国内清涼飲料ブランド大手のサントリーから来年度以降、ミネラルウォーター「天然水」の2㍑大型PETボトル入で、国内最軽量タイプが登場する。“持ちやすさ”などボトルのユーザビリティや強度はそのまま、容器形状を一部見直し、現行で最軽量とされる「38㌘」を上回る軽量化が実現する見込みだ。九州地区を皮切りに、全国へ拡大する。
CO2排出削減も視野に近年、大型PETボトルでの“軽量化競争”が、大手飲料ブランド各社で活発。まず05年にキリンビバレッジが「キリン生茶」などに2㍑容量で42㌘のPETボトル「ペコロジー」を開発。08年にはサントリーが「サントリー天然水(奥大山)」に同容量で40㌘タイプを、また09年にはコカ・コーラシステムがミネラルウォーター「森の水だより」専用パッケージに同38㌘の「eco(エコ)るボトル ラク持ち」を開発している。現行では「eco(エコ)るボトル ラク持ち」が国内最軽量とされる。
これらの軽量PETボトルは、座屈強度を持たせるため胴体部分の四隅に“柱”を持たせるか、“ばね構造”とするものに大別される。また、持ちやすさなどのユーザビリティを考慮し、「指スポット」を設けるものもある。
このような中でサントリーは、同社従来製品同様に「指スポット」を残しつつ“ばね構造”の特性を生かした強度アップを検討、現行最軽量の「38㌘」を上回る軽量化へのめどを付けた。
なお同社は、2㍑6本セットで外装を段ボール箱からフルシュリンクへ切り替えるなど、物流全体での環境対応にも意欲的に取り組み、「エコクリア包装」として今年4月、一部地域向け「サントリー天然水(阿蘇)」2㍑PETボトルに導入。これは来年度以降、他商品への展開を予定している。国内“最軽量”2㍑PETボトルもミネラルウォーター商品からの導入が予想され、同社がトータルで進める包装の環境対応に一層の弾みが付く期待は大きい。