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ドクターベルツ、09年9月期通期業績は黒字回復へ

ドクターベルツがこのほど発表した2009年9月期通期業績は、 売上高が前年同期比3・3%増の9億3000万円、 利益面でも前期の赤字から一転して黒字を確保するなど好調に推移した。

08年10~12月の業績は伸び悩んだものの、 直営店の閉店による家賃や人件費など固定費の削減や、 ブランドメーカーである同社が製造元となるかたちでのPB (プライベートブランド) の開発が効果をあげた。

好業績の一因となったPB開発について、 石渡悦堯社長は 「(グループ企業で) OEM事業のコスメサイエンスではなく、 ブランドメーカーであるドクターベルツを製造元にしてほしいという依頼があり、 09年から、 こうしたドクターベルツ製造元でのPB開発の動きが出てきた。 シャンプーから化粧水などのスキンケアまでとラインナップも広がりを見せている。 ドクターベルツ自体の製品に、 限られたチャネルでベルツが製造元となったPB商品の開発が加わり、 ダブルで効果を上げている」 と説明している。

同社は、 この決算年度とは別に営業年度 (1~12月) も設定しており、 営業年度の1~9月では営業利益が2ケタ増となっているという。 10~12月では、 昨年買収したアラフォー世代に向けたエイジングケアブランド 「R3」 の、 9月から開始したテレビショッピングの効果により、 さらなる上積みが期待できる。

次期 (2010年9月期) については、 売上高が約15%増の10億7000万円弱を見込んでいる。 増収分は 「R3」 のテレビショッピング効果や、 新ブランドの投入によるもの。

「R3」 はテレビショッピングをオンエアした9月、 スキンケア部門で3位にランクインし、 月間の予定販売数量も大きくクリアした。 視聴者との“対等目線”を意識して美容漫画家・かなつ久美さんを起用したことも奏功したという。

「宣伝効果も抜群で、 テレビショッピングの実売+既存の販売ルートに多大な販促効果があった」 (石渡社長)

11月からの2度目の放送も決まっており、 石渡社長は同社の売上高に占める 「R3」 の比率が2010年以降、 「かなりのウエイトを占めるだろう」 との認識を示した。

また、 「R3」 は訪販組織に対しても好影響を与えた。 石渡社長は 「新しい風を注ぎ込むことで組織は活性化できることを実感した」 という。 そのうえで、 低迷する訪販の巻き返しに自信を見せた。

「訪販はコミュニケーションだ。 情報過多の時代で、 消費者が迷ったときに販売員が 『よき相談相手』 として信頼感を得ることで、 そこに強い絆が生まれる。 これが新しい訪販の姿だ。 テレビショッピングなどの多チャンネル化も並行して実施しながら、 ベルツ全体を底上げしていく」

さらに石渡社長は、 具体像こそ明かさなかったものの 「R3」 以降の新ブランドの導入を計画していることも明らかにした。 50代以降のシニア向けスキンケアシリーズ 「タプリス」 においては 「再構築する」 (石渡社長) としている。

石渡社長がその先に見据えるものは、 「もたれかかりの経営からの脱皮」 だ。 「チームコスメサイエンス」 を構成するコスメサイエンスとドクターベルツ、 セルフ販売中心のドクターエルウィンそれぞれが、 情報を共有しながらも切磋琢磨し、 自立した体制となることを目指している。 それをまず、 率先して示したのがドクターベルツというわけだ。