ツバコー関西(神戸市中央区)は、ヘラマンタイトン(東京都渋谷区)と共同で、金属探知機で検出できる結束バンド「MPフーズ・インシュロック」を開発した。樹脂製インシュロックに、微細な金属粉を独自技術で練り込み、金属探知機にかかることにより結束バンドの混入を防止するもので、食品や薬品製造現場での採用が期待されている。
ツバコー関西は椿本興業の子会社で、すでに08年、ゴムパッキンに金属粉を練り込み、金属探知機・X線異物検出機で検出可能な食品製造設備用ゴムパッキン・Oリングを製品化するなどの実績を持つ。この技術をベースに、樹脂製結束材「インシュロック」への応用に成功したもの。
新製品は、樹脂に微細な金属粉を均一に練り込んで成型する。たとえ樹脂製結束バンドが劣化して、食品などの搬送材料に混入しても2㍉角以上の切片であれば金属探知機で検知可能で、異物混入を防止することができる。
樹脂製ながら、産業用磁石に強力にくっつく。小片でも金属探知機で検出できる。金属製結束バンドと比較して作業性・安全性に優れる。色は黒。食品製造装置、薬品製造装置での使用に適している。
価格は長さ150㍉・100本入りで3580円、同200㍉で4680円。初年度1億円の販売を見込んでいる。
製造はヘラマンタイトンの兵庫工場(兵庫県姫路市)に委託し、同社が「MPフーズ・インシュロック」ブランドで全国販売する。
「インシュロック」は、英国・ヘラマンタイトン社の登録商標で、日本国内でも子会社を通じて非食品分野を主体に相当な実績を持つ。食品業界分野では、特にプラスチック・ゴム・虫・髪の毛の混入が多く、これらの検出が課題となっている。その意味では、今回のツバコー関西の開発はタイトンサイドにとっても有益で、「インシュロック」全体の拡販につながるとみられ注目される。