シリンジ(注射筒)組立・ラベリング装置でこれまでに約30の実績を持つ光洋自動機(横浜市港北区)へ、毎分100本、最大処理能力では毎分300本まで可能なシリンジ組立ラベラーの引き合いが医薬品メーカーから相次いでいる。これはサーボモーターによるトルク管理に加え、画像処理システムの搭載により、シリンジの決められた位置に正確に1個1個チェックしながらラベリングできるという同社独自の「ミニキーパーシステム」の採用が評価されたことが大きな理由の一つにあげられる。
通常のシリンジ組立ラベラーは、サーボモーターでトルク管理が行われているが、同社の場合、サーボモーターによるトルク管理と、ミニキーパーもよるトルク管理のいずれかを選択できることから、ユーザー側には大きなメリットとして受け入れられている。
また、ロールラベルから切断して直接ラベリングする方式ではなく、ロールラベルを切断後に一枚一枚ごとに移送ドラム(バキューム方式)に受け渡し、その段階でラベルを画像で検査し、不良のラベルであれば、そのラベルを除去する。一般的なロールラベルから切断して直接ラベリングする方式では、シリンジや薬剤に問題がなくても、ラベルが不良であれば、製品そのものまで不良品として排除されるが、同社のドラム方式ではラベルを検査し、ラベルが不良であれば製品に貼られる全段階で除去されるので、ラベルのトラブルで製品が不良品になるといった問題はなくなる。
移送ドラムでラベリングするメリットは、シワにならずに貼れるという利点も。ラベルに問題がなくても、シワがある状態で製品に貼られると、後工程で製品に問題がなくても不良品として扱われてしまう。ドラム式はそうした問題も解決した。
内容物がワクチンのシリンジ組立ラベラーでは国内シェア9割を誇る同社は、この3月にも新たなシリンジ組立ラベラーを発表するとしている。