電気化学工業(東京都中央区)は、軽量透明シートの新製品「ソフリア」を発表した。OPSと同等の透明性、強い耐衝撃による割れにくさ、低温での賦型(ふけい)性に優れる。同じ透明容器シートのA‐PETに比べ約40%軽量化でCO2排出抑制への期待も高いなど、“環境対応”への配慮もポイントといえそうだ。
ソフリアは、引張弾性率が低く、一般OPSに比べ柔らかいため、衝撃に対して強い特性を発揮。食品容器の製造工程で発生する“割れ”やユーザークレームにも直結する“切り粉”などの発生抑制に貢献する。同社が行った落錘強度試験では、一般OPS比で1・6倍の衝撃強度を確認。耐寒性の向上で、チルドや冷凍環境での用途展開が可能となり、ユーザークレーム解消による顧客満足度向上、容器メーカーにとって収率アップも期待される。
さらに同シートが備える賦型性のよさから、従来シートよりも成形温度を5度C以上低く抑えられる。消費電力の削減で、省エネ効果にも期待だ。
同社は廃棄問題やCO2削減といった環境対策への貢献を強調。「OPSより比重が重いA‐PETではシートの薄肉化に限界があるが、比重がOPSと同じソフリアは薄肉化ができ、A‐PET比で約40%の軽量化が可能」と同社では説明しており、容器包装リサイクル法の負担金圧縮にも評価が高まりそうだ。