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テレビ通販最大手に聞く市況&売れ筋

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1996年の創設以来、 右肩上がりで成長を続けるジュピターショップチャンネル。 今や売上高は1000億円を超える通販業界のリーディングカンパニーだ。 マーチャンダイジング部コスメティックス&ヘルスグループの西塚瑞穂コスメティックスシニアスーパーバイザーに、 市場の状況や売れ筋商品などについて話しを伺った。 

――TV通販市場の現況は。 

西塚 弊社の場合ですと顧客は40~50代がボリュームゾーンでそれに30代、 60代の方が続く形です。 弊社のお客様というのは、 化粧品カテゴリーに限らず、 基本的に百貨店から流れてきているように思います。 例えば、 化粧品カウンターでの対面販売だと年代ごとにお勧めされる商品が決まってしまう場合もあるようですが、 お客様はご自分で商品を選択したいという気持ちがあるのではないでしょうか。 メーカーのTVショッピングならば社長や商品開発者といったその会社を代表する人達の話を聞いて色々と商品を比較して購入ができますから、 そういった点が魅力になっているのだと思います。 

――客単価が落ちているという話しも聞くが。 

西塚 客単価は若干落ちていますが顧客数は増えているので、 売上げは前年比プラスで推移しています。 化粧品カテゴリーも同様です。 

ただ、 化粧水やクレンジングなどをセットにしたプロモーションセットの価格は意図的に下げています。 一昨年までは盛りだくさんのセットで1万2000~3000円位のものがよく出ていましたが、 去年1月以降、 風向きが変わりました。 色々と調べた結果、 必要ないものが入っているセットは購入されにくくなっていることがわかり必要なものだけ残して2~3点セットにしました。 

だからといって、 その分の客単価がまるまる落ちたといったということではありません。 プロモーションセットを販売する際、 セットから外した石鹸やクレンジングなどを一緒に紹介すると、 セットを購入されたお客様の内かなりの割合の方が、 単品についても買い求めてくれています。 選択肢を広げることが大事で、 そうすることによりお客様がご自分で必要かどうか判断されて、 必要だと思った場合には購入して下さっているのです。 

それと高いものでも、 価値さえ伝われば、 売れるものは売れます。 先日もデビューしたばかりのブランドで1万4000円のセットが飛ぶように売れて、 予定していた放映を1回半キャンセルしました。 

――そのブランドというのは。 

西塚  「パルマディーバ」 というブランドです。 作詞家で作家の浅野裕子さんのブランドで、 ご本人が開発されています。 放映時には商品開発の苦労話や、 若い頃は入念にしていたお手入れをシンプルにしたら逆に肌がきれいになったというような体験談を語って下さったのですが、 生放送だとその人の生き方や人間性といった部分がよく伝わります。 TVショッピングは商品を試せないし香りも分かりませんが、 お客様はとても賢くていらっしゃって、 そういった生放送を観て信頼できるかできないかというのをきちんと判断されるんですね。 

――商品はもちろんのこと、 開発背景やゲストさんのパーソナリティも重要になってくると。 

西塚 はい。 薬事法がなければまた違うかもしれませんが、 特にTVに関しては厳しい縛りがありますし弊社でも薬事法をはじめとする法律の順守を徹底しています。 そういった中でどうやって商品の良さを伝えていくかといった時に成分の話ももちろんしますが、 メーカーさんの歴史やポリシー、 ブランドのストーリー、 ゲストさんの人間性などに共感していただけるかがポイントです。 そのためTV出演していただくゲストさんが商品に詳しくないと困りますし、 美容の知識、 商品に対する思い入れ、 情熱、 使命感といったものがないと、 いいライブにならず実績も残せません。 なので、 商談の場には必ずゲスト候補の方に来ていただいています。 全部をひっくるめて商品力なのです。 

――具体的に売れる商品とは。 

西塚 40~50代の女性の社長さんや経営者で女としての紆余曲折を乗り越えて、 なおいきいきと美しい方が生み出した商品、 その方の人生と一緒に苦労を乗り越えてきた商品は強いです。 

――商品を知るきかっけというのは。 

西塚 メーカーさんから電話をかけてきて下さったり、 展示会にこちらから出向いたり、 弊社と取引がある他カテゴリーのベンダーさんから紹介して頂いたりと本当に色々です。 

――話し合いから実際に商品を販売するまでの期間は。 

西塚 大体、 半年ぐらいはかかります。 ただ、 「もうどうしても紹介したい!」 という商品については、 2~3カ月でもやりますよ。 

 「ちょっとでいいから試しにやってみて下さい」 と言われることもあるのですが、 そうしたことはしていません。 お互いにリスクがあることですので、 適当にやって 「売れた」 「売れない」 という訳にはいきません。 TVを観ているお客様にも失礼ですし、 在庫を用意されるメーカーさんにも迷惑になると思いますので、 やると決めた商品についてはメーカーさんと、 とことん突っ込んだ話しをして売れるところまで持っていきます。 

――クラランス、 ランコムといったブランドも取り扱っていらっしゃいますね。 

西塚 お客様からみれば選択肢が広がることになりますし、 ステータスにもなりますので、 去年から積極的に展開しています。 しかし、 そういったブランドは他の販売チャネルでも取り扱っていますから、 そのままではTV通販で買っては下さりません。 

なので、 例えば弊社では新商品の発売日にあわせてそのブランドの番組を放映するといったことをしています。 百貨店さんにもプラスになって、 メーカーさんも私どもも実績が上がるというようなタイミングやプロモーションで仕掛けるようにしています。 

そういったブランドを取り扱っていくと同時に、 まだ世に出ていない商品、 世間に知られていない美容家さんのご紹介も積極的にしていきたいと考えています。 

――今後、 期待する商品は。 

西塚 今年デビューした 「潤子ララビュール」 「パルマディーバ」 といったブランドが年明けから2つ立て続けにヒットしました。 また、 2月からは30代をターゲットにした 「渡辺美奈代のセレブママレッスン」 等の新企画も始まります。 既存ブランドもしっかり伸ばしつつ、 こういった新ブランドの育成にも力を入れていきたいですね。