ファンケルの連結対象子会社でカタログ通販を展開している 「いいもの王国」 (同) は今後にかけ、 健康機器など耐久消費財を中心にした従来の商品構成に見直しを行い、 ボディソープや男性化粧品など消費財を前面に出したMDへ軌道修正を行う。
顧客と企業のコンタクト機会が注文時だけでほぼ完結してしまう耐久消費財の場合、 売り手と愛用者の関係性が希薄になってリピートビジネスの構図を形成しづらいことから、 同社は2009年から消費財の新規投入を積極化して業績立て直しの道を模索してきた。
具体的には、 団塊世代の男性が中心のコア層に好適と考えた殺菌成分配合の全身シャンプー薬用 「からだまるごとデオ・ソープ」 (医薬部外品、 500mL2800円) を2008年からテストの位置づけで発売し、 昨夏の医薬部外品取得とボトル形状の刷新を契機に月販ペースを1000本台に乗せたという。
また、 2009年1月に売り出した化粧品 「男の保湿美容ジェル~OTOKOMAE潤」 (35g3800円) の初回購入者が、 買得感を持たせた定期コースへ移行する割合が当初の予想を超えるなど、 MD変更の試金石と期待した2製品に関し同社は既存顧客のみの展開ながら好感触を得ている。
美容ジェル 「潤」 は、 2009年12月に発売当初のガラス容器を真空設計 「エアレスボトル」 に刷新したところ使いやすさが向上して既存愛用者から好評を博しているほか、 初回購入者への限定価格 「おためし∥2800円」 (税込、 送料無料) を新設して愛用者の獲得策を実施。 成果が見え始めているという。
一連の状況を踏まえ、 2010年秋を目途にマス広告を出稿して新規顧客の獲得を計画するなか、 現在は顧客ターゲットとのマッチングや効率を求めて適正な媒体選びを進めている。
こうした状況に関し、 社内で新しいMD構築の先鋒役を努めるリピート開発グループの星野則雄チーフは、 「現状では健康機器の購入者へ化粧品など新しい商品のクロスセルを仕掛けているが、 今後は前面商品を消費財へシフトして構造を逆転。 化粧品の愛用者へ健康機器を勧めるよう方向転換するのが来期」 だと説明している。
さらに、 リピート型への転換で商品政策を統括している同グループの岩間登美子マネジャーは、 「団塊世代のオシャレ心を捉えたい。 現在、 市場ではメーカーによる男性向けの展開が活性化していることも追い風」 としたうえで、 男性客が中心の同社に新潮流を創出しようと意気込みを見せている。 同社はこのほか、 2009年からヘルス&ビューティー事業部を通じて 「歩潤王」 (4300円) など中高年向けサプリメントの展開も始めており、 リピート商品の拡充を進めるなかで化粧品との相乗的効果も狙っている。