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すいおうシンポジウムを開催

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(株)東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は2010年3月4日、新品種産業化研究会と共催で「すいおう」シンポジウムを都内で開催した。会場には産官から関係者ら100名以上が詰め掛けた。

すいおうに携わる各界の専門家が集結した同シンポジウムでは、すいおうの持つ機能性や可能性、今後の展開などについて、幅広いリポートが報告された。

長年すいおうの研究を続ける(独)農業・食品産業技術総合研究機構の石黒浩二氏は、その開発ストーリーについて解説。日本では栄養満点ながら、サツマイモの茎葉がおいしくない理由で敬遠されていたことから、茎葉部がおいしく栄養価に優れる品種を作ろうとすいおうが生まれたことなどを話した。

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実際の活用事例などについては、(社)岡山県農業開発研究所の道広康暉氏が同県でのすいおうの商品展開について説明。佃煮やお茶、焼酎、サプリメントなどに活用していることなどを報告した。女子栄養大学准教授の根岸由紀子氏は、食材としてのすいおうの利用方法、料理を紹介。炒めもの、天ぷら、お浸し、からし付け、パン、洋焼き菓子、茶漬けなど、幅広いレシピを公開し、すいおうの食材としての可能性に期待を寄せた。

東洋新薬開発本部の鍔田仁人氏は、すいおう青汁の可能性についてリポート。栄養豊富で飲みやすいすいおうは、ケールに代表される青汁のイメージと一線を画し、栄養豊富で飲みやすいことから、今後の青汁市場を活性化する要素を有するとの見解を示した。

すいおうの機能性については、中部大学津田孝範氏が解説。すいおうが、これまでの研究で食後血糖値上昇抑制作用が認められていることを明かした上で、その作用メカニズムが充分に解明されていないとし、さまざま研究の結果から、これまでにない作用メカニズムを有する可能性を明かした。そうしたことから、今後、さらに網羅的に解析するためにメタボローム解析を行いながら、メカニズムの解明を進めていく方向性を示した。

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(独)農業・食品産業技術研究機構の後藤一寿氏は、機能性にすぐれ、味も良いすいおうに対する潜在ニーズを顕在化させるグランドデザインを紹介。まずは認知向上が重要とし、さらに手軽に摂取できる環境を整えることが必要としながら、抗酸化能表示など、消費者に分かりやすい仕組みづくりを行い、おいしくて機能性の高いすいおうを積極的にプロモーションしていくことなどが当面の課題であり、ポイントになるとの意向を示した。

農林水産省生産局技術普及課の高田裕也氏は、同省の取り組みとして、平成19年度から新食品・新素材について産地と企業が連携した事業化を支援する「新需要創造対策事業」を開始し、産地と企業のマッチングによる協議会の育成などを行い、新たな産地形成を促進していることなどを報告した。

最後に東洋新薬の高垣欣也氏がすいおうの展望について「まだまだ認知度は低いが、おいしく機能性のある素晴らしい素材。産官などと連携し、関連事業を盛り上げ、情報発信なども積極的に行い、市場拡大につなげられれば」とあいさつし、閉会の辞とした。

2010年03月04日 20:39