東洋紡(大阪市北区)は、熱収縮ポリエステルフィルム「スペースクリーン」の需要拡大へ市場攻勢を掛ける。30マイクロメートル厚の薄肉タイプを新たにアイテム追加し、CO 2削減など環境配慮に実効性を求めるユーザーに向けて製品提案を図る。すでに大手ボトラーのPETボトル飲料で採用され、コンビニなど小売店で販売が始まっており、需要期を目前にシェア拡大がどこまで進むのか、注目されるところだ。
「スペースクリーン」は、低温高収縮性に優れたポリエステルフィルム。PETボトルと同系素材のため、原料の一部としてボトル再生レジンの使用が可能で、リサイクル適応性が高い。高収縮性に優れ、低温収縮性、汎用性の高さに加え、優れた剛性を備える。
素材の持つ特性により透明性、光沢性に優れ、フィッシュアイが少なく鮮明な多色印刷に対応でき、自然収縮が小さく在庫管理が容易。厚みの均一性に優れバラツキの少ない高品質製品の提案が可能。また、以前に問題とされたミシン目カット性についても改良が施されている。
小売店頭では差別化への要望は高く、500㍉㍑PETボトル飲料などは依然、意匠性を重視しデザインなど形状工夫で商品訴求する動きは強い。加えて環境配慮の観点から薄肉化、減容化の要望が多く寄せられ、具体的な提案が収縮ラベル用フィルムでも待たれている。
そこで同社では高い強度と優れた剛性を備える「スペースクリーン」の新商品開発を加速し、高透明、乳白タイプなどポリエステルフィルム独自の強みを生かした商品で市場開拓を進める。薄肉化では他素材と比較して大幅に肉厚低減した30マイクロメートル厚タイプの拡販を図り、包材使用量を削減したいユーザーニーズの取り込みを図る意向だ。
すでに2月から店頭販売を開始した飲料製品で採用が始まっており、今後需要拡大へ提案活動に力を注ぐ考え。