三井化学(東京都港区)は、優れた透明性、粘着性を有した環境に優しい新型フィルム「ECQUSEA(エクシア)」を開発した。独自の樹脂設計技術とフィルム成形技術を駆使し、のりなどの接着剤をまったく使用せず、フィルム自体に強い粘着性を実現している。
独自のオレフィン樹脂設計技術とフィルム成形技術によって、粘着、透明性に優れた基材層と樹脂そのものに強い接着機能を備えた特殊フィルムの接着面を積層させた多段構造を実現した。塩ビやのりを使用しないため、廃棄時の高温焼却の必要がない。脱塩ビ、脱溶剤の新規オレフィンフィルムとして期待がかかる。
使用方法も、平面であれば、どんな場所でも貼り付け可能。剥離時には、のり跡がつかないためガラスなどの被着体を汚さない。表面保護フィルムとしての用途はもちろん熱線カット、親水性、セルフクリーング性や香料配合など、機能性を付加した商品開発を積極的に進めていく方針だ。
すでに店舗などでの受注も受けており、1㎡当たり1000~2000円。荷姿は、1200㍉㍍幅×30㍍ロール。将来的には長尺ロールでの出荷を検討している。順次生産体制の強化を図るとともに季節やイベントによるデザインの変更や、短期間での貼り替えが多い店舗ショーウィンドへの用途拡大を狙う。