大洋精機(大阪府大東市)は、弁当などの結束に使用されているフィルムテープを簡単にカットできる「新装置」を開発した。装着したノッチ刃によりテープに1カ所切り込みを入れ開封を容易にしたもので、同装置を搭載した“人に優しい”ユニバーサルデザイン型新COM自動帯束機として販売を開始する。
現在、弁当の帯掛けテープや袋の開封を簡単にするため、数㍉単位に無数の穴を開けどこからでも切れるカット方法が一般的に用いられている。しかしコストがかかる上、帯束機(帯掛機)にかける際、商品が斜めに置かれた場合などテープに負荷がかり、テープが切れるといった欠点が指摘されていた。このため、コスト面・技術面から安価で簡単なカット方式が望まれていた。
同社の新技術がこれを実現した。装置に取り付けたノッチ刃で、走行するフィルムテープに1カ所のみ切れ込みを入れる。この場所は、例えば弁当の上面など任意に設定できる。強力に機械で締め付けても自然に切れないが、人が開封する場合は簡単に切れるのが大きな特徴。商品を斜めに置いてもキッチリと結束できる。
資材コストをみると、従来方式と比較すると20%程度安くなるという。若干の装置費用は必要だが、ランニングコストは大幅低減できるとされる。
この技術についてはすでに特許取得済み。
同社では、COM自動帯束機「WASシリーズ」など全自動機に搭載して販売する意向。同社製既設機への取り付けも可能。他社機については、他社機の構造から取り付けできない。
なお、新装置を組み込んだ帯束機を6月8~11日、東京ビッグサイトで開催される「国際食品工業展(FOOMA JAPAN)」で公開する予定。