洗濯用や台所向けなど日用雑貨のほか、 洗顔とボディケアまで対応した自然派石けんを全面展開しているシャボン玉石けん (本社福岡県北九州市) は、 頭髪用として全11アイテムを注ぎ込む熱の入れ様でヘアケア商材を展開している。
売れ行きが好調だった従来の合成石けんを切り捨て、 1974年に故森田光徳社長の英断で無添加石けんの製造販売へ営業転換した同社は、 皮切りとして1990年に 「固形シャンプー」 (現行品100g900円) でヘアケア部門に参入した。 以降、 1995年に使い勝手に配慮した 「パウダーシャンプーボトル」 (同100g900円) を追加したのち、 2004年に液体の 「シャボン玉シャンプー」 (600g1140円) を発売して現在の品揃えを整えた。
同社のラインナップ構成で特徴的といえる方針は、 新型を売り出しても既存品をドロップしない点にある。 これについて、 東京営業所の垣内陽一郎所長は 「液体が売上最上位だが、 各商品の出荷数量は僅差であり、 新形状を出しても既存品の販売量が落ち込むことはない」 ことから、 現行の品揃えは盤石だと説明している。
一連のヘアケア商品 (写真下) の流通チャネルは約50%をBtoC展開の自社通販が占め、 その他は中間流通を介した専門店や地場系のドラッグチェーンが販売先となっている。 ドラッグ店の売場で見栄えを考えた場合、 価格相場に対し 「約2倍と高い。 それでも支持がある」 (垣内氏) ことの要因は、 配合成分を無添加とした素材背景や、 ケン化法による製造視点を評価する愛用者が同社のヘアケア製品を支えているからと言えそうだ。
大手のブランド品を向こうに回し、 同社は本質訴求で成果をあげている。