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第9回 健康食品の表示に関する検討会

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「第9回 健康食品の表示に関する検討会」が2010年5月18日、都内で開催された。今回から論点整理へ入り、消費者庁からは、これまでの議論を踏まえたたたき台が示された。

たたき台は、これまでの検討会における健康食品の表示を巡る課題を(1)健康食品の機能表示が実際とは異なり消費者に誤認を与えていることに対し、虚偽・誇大表示については関係法令・関係団体と連携しつつ、効果的な取締りを実施していくべき。(2)健康食品に含まれる成分の機能性の程度や摂取方法に関する情報が充分に表示されておらず、消費者に正確な情報が伝わっておらず、現行のトクホ表示許可制度を見直すとともに、消費者へ正確な情報を伝えるための制度のあり方を研究すべき、という2点に大別し、論点が整理された。

その上で、今後の対応方策として、対応すべき方向性が明らかになった課題については消費者庁において早急に対応方策を明らかにする。制度的な対応を要するなど、さらに慎重な検討が必要な課題については、消費者委員会にさらなる議論を求める、とした。

具体的には、トクホ表示許可制度については、手続きの一層の透明化、表示内容の改善、許可後に生じた新たなエビデンス収集体制の整備。機能性表示にかかる制度については、規格基準型トクホの要件緩和の検討、一定レベルの科学的根拠が確認された食品に、一定の機能性表示を認める仕組みの研究などが提示された。

いわゆる健康食品の表示規制については、健康増進法に基づく虚偽・誇大表示規制の効果的な執行の確保、関係法令・関係団体との連携促進などが示された。

さらに、今後も検討が必要な制度的課題として、トクホの表示許可制度における取り消しなどに関する再審査手続きの整備、健康食品表示の効果的な規制の仕組みづくりなどが挙げられた。

消費者庁によるたたき台を受けた委員からは「トクホ制度廃止を盛り込んで欲しい」、「トクホ以外のいわゆる健康食品に対する新しい法を作るという部分が欠落している」、「広告表示の明確なガイドラインを作って欲しい」など、より厳しい要望があがる一方、「これまでの議論を踏まえ非常によくまとまっている」と一定の評価をする声もあった。検討会では、このたたき台をもとに残り2回の議論で、意見を集約、論点を整理し、8月に消費者委員会へ報告する。

たたき台:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin298.pdf

【出席者】

(委員)

太田明一 健康と食品懇話会相談役

神山美智子 食の安全・監視市民委員会代表・弁護士

神田敏子 前全国消費者団体連絡会事務局長

佐々木敏 東京大学大学院医学系研究科教授(座長代理)

宗林さおり (独)国民生活センター調査役

田中平三 甲子園大学学長(座長)

徳留信寛 (独)国立健康・栄養研究所理事長

中下裕子 中央大学法科大学院客員教授・弁護士

浜野弘昭 NPO法人国際生命科学研究機構事務局長

林裕造 (財)日本健康・栄養食品協会理事長

山根香織 主婦連合会会長

(事務局)

内田俊一 消費者庁長官

田中孝文 消費者庁次長

原敏弘 消費者庁審議官

相本浩志 消費者庁食品表示課長

平中隆司 消費者庁食品表示課長補佐

芳賀めぐみ 消費者庁食品表示課衛生調査官

 

2010年05月18日 19:03