富士宮市・遠藤部長 「富士山周辺の工業団地としては残された唯一の案件」と言及
大成富士山南陵開発 (本社∥東京) は4月23日、 静岡県富士宮市にこのほど竣工した 「富士山南陵工業団地」 の現地見学会を開催した。 当日は、 松木幹雄社長が工業団地の特徴について説明した後、 現地見学会、 環境セミナーが行われた。 富士山南陵工業団地は、 企業の環境CSRを支援する新しいコンセプトを有した工業団地で、 「豊かな伏流水」 「良好なアクセス」 「南陵の森フォレスト・セイバー・プロジェクトへの参画」 などといった特徴がある。
ミネラルウォーターレベルの伏流水団地全体で日量5000トン採取
「伏流水」 については、 富士山麓に降った雨や雪解け水が、 厚い玄武岩層に長い歳月をかけて浸透することで育まれた、 ミネラルウォーターとしても販売できるレベルの伏流水が、 工業団地全体で日量5000トン採取できる。
「アクセス」 については、 最寄りの高速道路のインターチェンジ (富士IC) が車で20分ほどの位置にあり、 数年後に第2東名高速度道路が完成すると15分で現地に到着できる。
JR新幹線の新富士駅から車で25分程度のロケーションであるため、 首都圏や中部圏、 関西圏からも日帰りで往復することも可能だ。
「南陵の森フォレスト・セイバー・プロジェクト」 では、 進出企業と地域 (自治体や住民) とが一体となった 「10年間の森づくり」 を通じて 「地域環境への配慮」 や 「地域社会参加などの地域貢献」 を実施。 これにより、 進出企業は環境対策面での前向きな取り組みを社会にアピールできるほか、 生産現場のすぐれた環境により人材の育成・確保が図りやすいため、 「生産性の向上」 や 「優秀な人材の育成・確保」 なども期待できるという。
松木社長 平地率が平均9割超で分譲面積のほぼ100%が活用可能
松木社長は冒頭のあいさつで、 「大成建設としては20年ぶりの工業団地事業となる。 首都圏エリアから1時間30分ほどとアクセスが非常に良いほか、 さらに工業団地が隣接する国道469号が延伸されるため、 今後は中央自動車道にも容易にアクセスできるようになる。 大きな特徴の1つは、 分譲面積に占める平地面積が平均で90%を超えるところで、 一番平地率の高い区画は98%となっている。 団地内に緑が豊かなため、 原則として平地はほぼ100%活用が可能で、 区画の形状も長方形がメインのため、 工場を配置しやすい点も特徴である。 さらに、 環境活動の拠点として工業団地内に、 省エネに配慮した多目的施設 『富士山環境交流プラザ』 を竣工しているので、 地元と一体となった環境活動を行う際には有効活用ができると思う」 と述べた。
続いて挨拶した富士宮市環境経済部長の遠藤二郎氏は、 「富士宮市では、 企業誘致を積極化しており、 今回の開発・造成や審査会の許可において、 これまで市は全力をあげて取り組んできた。 昨今の厳しい経済環境の中での企業誘致ということもあり、 富士宮市と県が共同で用地取得費の20% (上限あり) を補助する優遇制度を創設した。 それ以外の補助制度的なものも今後前向きに考えていきたい。 このほど都市計画法が改正されたため、 富士宮市ではこれが最後の工業団地だと認識している。 富士山が一望できるエリアでの工業団地についても、 世界文化遺産を保護する観点から工業団地の竣工は今後ますます難しくなるため、 富士山周辺ではこれが残された唯一の案件となるのではないか」 と語った。
〈工業団地計画概要〉
事業名称∥富士山南陵工業団地◇所在地∥静岡県富士宮市南陵1番外◇用途地域∥市街化調整区域◇建ぺい率∥60%◇容積率∥200%◇総面積=47万8429㎡ (14万4724坪) (開発区域面積) ◇分譲面積∥24万7600㎡ (7万4899坪) ◇総区画数∥14区画 (最大)、 1区画∥7000㎡ (最小) ~4万9600㎡ (最大) ◇電気∥東京電力 (特別高圧電力の引き込みが可能) ◇開発事業者・売主∥大成富士山南陵開発㈱ (担当∥吉武・間中氏 03―5326―0295)