(株)東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、臨床試験において『ポテイン®』の継続摂取による肥満への影響および空腹感緩和作用を確認した。第64回日本栄養・食糧学会大会で発表した。
『ポテイン®』は同社の独自素材で、北海道産のジャガイモを原料とする機能性食品素材。満腹感を高め、食べ過ぎを防ぎ、ダイエットに役立つとされる。
今回同社は、北海道大学大学院農学研究院 原 博 教授および 比良 徹 助教との共同研究を行い、臨床試験で『ポテイン』長期摂取による肥満への影響および空腹感緩和作用を確認した。
■ 『ポテイン』の継続摂取による肥満への影響
成人男女のうち、BMI〔注①〕が18.5以上35未満の男女23名を対象に、二重盲検群間並行比較試験〔注②〕を行った。『ポテイン』またはプラセボ食品〔注③〕を12週間、毎日夕食前に摂取させ、摂取前、摂取4、8、12週間後および2週間の後観察期間後に、BMIを測定した。
また、摂取期間終了後に、摂取期間中の満腹感および食事量に関する振り返りのアンケートを行った。
ポテイン群11名およびプラセボ群12名を解析した結果、ポテイン群において、摂取前と比較した場合、摂取開始後8週目以降にBMIの有意な減少が観察された。
また、プラセボ群と比較して、摂取12週目以降にBMIが減少する傾向がみられた。
さらに、摂取期間終了時に行ったアンケート結果より、ポテイン群において、プラセボ群と比較して、摂取期間中の食事量が「減少した」と答えた被験者が有意に増加した。
このことから、『ポテイン』を継続的に摂取することで、日々の食事量を抑え、肥満の予防・改善に有効であることが示唆された。
■ 『ポテイン』の空腹感緩和作用
健常成人女性7 名を対象に二重盲検クロスオーバー試験〔注④〕を行った。ポテイン群には『ポテイン』を添加したヨーグルトを、プラセボ群には何も添加していないヨーグルトを摂取させ、その後の体感性の推移をVAS 〔注⑤〕法で比較した。
その結果、ポテイン群において、プラセボ群と比較した場合、有意な空腹感緩和作用(おなかの余裕の低下)が観察された。この結果より、『ポテイン』をヨーグルトと一緒に摂取することで、空腹感が緩和され、その後の間食の回数や食事の量が減少することが期待される。
同社では今後も『ポテイン』の機能性をさらに解明し、肥満対策における独自性の高い商品を開発し、より一層の拡販に注力していく、としている。
〔注①〕 BMI
Body Mass Index の略で、 BMI(kg/m2) = [体重(kg)]/[身長(m)2] で算出される、ヒトの肥満度を表す指数のこと。日本肥満学会により、BMI=22 が標準体重、BMI=25 以上が肥満と定義されている。
〔注②〕 二重盲検群間並行比較試験
二重盲検(ダブルブラインドともいう)とは、被験者の思い込みによる影響(プラセボ効果)や試験実施者の挙動が被験者に影響を与える可能性を排除するために、被験者および試験実施者には試験食品(今回は『ポテイン』)かプラセボ食品かを知らせないで効果を検証する試験のことをいう。また、群間並行比較試験とは、異なった2 群またはそれ以上のグループを同時に試験進行させていくことで、二重盲検群間並行比較試験とは、それらが組み合わさった試験方法のことをいう。
〔注③〕 プラセボ食品
今回の試験では『ポテイン』の代わりに、食欲や体重に影響を与えにくい原材料を配合し、さらに『ポテイン』と見分けのつかないようにした錠剤。
〔注④〕 二重盲検クロスオーバー試験
クロスオーバー試験とは、各被験者に試験食品とプラセボ食品の両方を、時期を違えて摂取させ、それぞれの結果を集計し評価する試験のことをいう。この試験方法は測定値のばらつきを小さくすることができるなどのメリットがあり、二重盲検クロスオーバー試験とは、上記の二重盲検法と組み合わせた試験方法のことをいう。
〔注⑤〕 VAS法
Visual Analogue Scale の略で、痛み・味などの体感性を数値化するために開発された特殊なアンケート方法のこと。100 mm の直線の一端を「これまでに経験したことがないような最悪の状態」、もう一方の端を「これまでに経験したことがないような最良の状態」とし、試験参加者が各質問事項について自身の状態が直線上のどこに当てはまるかを記入した印をもとに、その位置から体感性の数値化を行う。