「第10回 健康食品の表示に関する検討会」が2010年6月8日、都内で開催された。前回示された素案を前回の議論を反映し、事務局側で修正したものをもとにさらにこの日、委員により議論が重ねられた。
初めに消費者庁長官・内田俊一氏が「この論点整理は国民に答えを返す、という意識で取り組んで欲しい」とあいさつし、10回目の検討会はスタートした。
続いて修正された素案について事務局が説明し、新たにトクホ制度における広告についての文言が追加されたことが報告された。これは、トクホ製品などにおいて、表示以上に広告における違反事例が多いとの委員の意見などを受けたもので、違反広告への規制強化の旨が記された。
その後の議論では、素案に対し、各項目ごとに各委員の意見を受ける形で進められ、これまでの検討会での主張を被せるものが中心となった。そうした中で、特定保健用食品(規格基準型)の要件緩和をすべき、の項目で議論が白熱。「要件緩和をするなら、サプリメントの新しい法律を作らなければ、バランスが取れない。それがダメならこの素案を認めるわけにはいかない」と意見が複数の委員から飛び出した。
全体的には、過去の議論を踏まえた内容に、トクホや健康食品が抱える課題をクリアできるよう、細かく文言の調整が行われ、消費者に誤解を与えない表示のあり方を徹底するような内容にまとめられる方向へ収まった。
最終的には、次回7月28日の論点整理の最終回で、素案の最終チェックを行い、8月に消費者委員会へ報告する。
<論点整理 素案>
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin321.pdf
【出席者】
(委員)
太田明一 健康と食品懇話会相談役
神山美智子 食の安全・監視市民委員会代表・弁護士
神田敏子 前全国消費者団体連絡会事務局長
佐々木敏 東京大学大学院医学系研究科教授(座長代理)
宗林さおり (独)国民生活センター調査役
田中平三 甲子園大学学長(座長)
徳留信寛 (独)国立健康・栄養研究所理事長
中下裕子 中央大学法科大学院客員教授・弁護士
浜野弘昭 NPO法人国際生命科学研究機構事務局長
林裕造 (財)日本健康・栄養食品協会理事長
山根香織 主婦連合会会長
(事務局)
内田俊一 消費者庁長官
田中孝文 消費者庁次長
原敏弘 消費者庁審議官
相本浩志 消費者庁食品表示課長
平中隆司 消費者庁食品表示課長補佐
芳賀めぐみ 消費者庁食品表示課衛生調査官