複数の日雑品ジャンルでシェア最上位を快走するエステー (本社∥東京) は、 「当社にとって屋台骨」 (マーケティング部門・角田武史シニアスタッフ) と位置づける主軸の 「エアケア」 部門では一転、 市場占有率のトップを狙って競合に追いすがる立場にある。
目標達成の足掛かりをつかみたい同社は、 7月26日から8月1日にかけ全社ぐるみの店頭施策 「消臭力ナンバー1ウィーク」 を展開する。 呼称が示すとおり 「単週でもいいから (消臭芳香剤ジャンルで) ナンバー1になりたい」 (同) ことを狙った同施策は、 宣伝や販促のほか営業部隊まで全社が一体化して行うもので、 経営陣の悲願を込めた取り組みとなっている。 最上位を狙う現在の状況は、 「依然ナンバー2だが、 昔よりだいぶ上に迫って来ている」 という。
同社の消臭・芳香剤における近年の商況は、 2002年から 「伸ばしに伸ばして好調が続いた」 推移が2008年に発した経済不況の影響で失速し、 長かった拡大基調がいったん終息した。
翌2009年3月期は売上高195億7200万円 (構成比45%) で対前年比1・1%減と字面のうえで実績割れとなったが、 自社内の評価は 「商材の絞り込みがあったほか、 基調は下期にかけて盛り上がった。 2009年は持ちこたえた」 (同) という及第点を示すもの。 言い換えると、 前期における消臭芳香剤の売れ行きは 「勢いを2010年に継続したい」 という着地で今期の期待度を高めた。
実需のピークが近い今シーズンは、 構える6ブランドのなかでも特に 「消臭力」 で販売量の確立に注力している。 発売10周年の節目に当て込む格好で春先に 「タバコ用」 と 「ペット用」 をラインアップに加え、 “悪臭対処シリーズ”の横顔も備わった 「消臭力」 は 「あと一歩でブランド単体の売上げが100億円に達する。 メガブランド化は今期の目標」 だという。
また、 同ジャンルでは広告の露出量に比例して 「自動でシュパッと消臭プラグ」 が売上げを牽引している。 現在、 本体の購入者が中身の 「つけかえ」 (41mL) を買い求めるリピート購入率は60%を超えているといい、 有力な競合品に比べ 「1・5倍くらいの高さ」 を維持しているなど、 小売店への売上貢献度も高まっている。
一方で、 シェアで最上位奪取に向けた課題は 「エアウォッシュ」 など振るっていない商品のテコ入れ策。 昨秋に 「消臭プラグ」 で得た再生の成功例を応用し、 早々に復調の兆しを見ることが命題となっている。
今期は消臭芳香剤の売上高で対前年比5~6%増を目標にしている。 先の施策に加え、 秋に投入する 「フレグランス革命」 の商品化第1弾が先行きに影響しそうだ。