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化粧品原料「葛の花エキス」を開発

(株)東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、葛の花エキスTMを化粧品原料として開発し、コラーゲン保護作用、美白作用を確認したことを、発表した。

葛はマメ科のつる性植物で、乾燥させた根が漢方処方の葛根湯などの原料に使用されている。葛の花エキスは、葛の花部からの抽出物で、イソフラボンとサポニンを特徴成分として含んでいる。現在までに、経口摂取による体脂肪低下作用、肝機能改善・保護作用、二日酔い予防作用が確認されている。

そうしたことから同社では、これまでにダイエット訴求やメタボリックシンドローム訴求、美容と健康を気遣う女性への健康食品として、葛の花エキス配合の商品を提案してきた。

そしてこのほど、新たに葛の花エキスを化粧品原料として開発し、コラーゲン保護作用および美白作用を確認した。

■コラーゲン保護作用

葛の花エキスによるコラーゲン保護作用を確認するため、コラーゲン分解酵素であるコラゲナーゼ阻害作用を検証した。

コラゲナーゼ〔注1〕に蛍光基質溶液を添加すると、コラゲナーゼによって蛍光基質が変化する。この物質の蛍光強度を測定することで、コラゲナーゼの活性を評価することができる。この反応系に葛の花エキスを添加した場合、コラゲナーゼの活性にどのような影響を与えるかを、検証した。

その結果、葛の花エキスは、コラゲナーゼを阻害し、コラーゲン保護作用をもつことが明らかとなった。

また、葛の花エキスのコラーゲン保護作用強度を検証するために、葛の花エキスに含まれるイソフラボン(葛の花イソフラボン)と大豆に含まれるイソフラボン(大豆イソフラボン)のコラゲナーゼ阻害作用を比較した。

その結果、葛の花イソフラボンは、大豆イソフラボンと比較して、より強いコラゲナーゼ阻害作用があることが確認された。

■美白作用

葛の花エキスの美白作用を確認するために、メラニン〔注2〕生成酵素であるチロシナーゼ阻害作用を検証した。

チロシナーゼが存在する水溶液にドーパ〔注3〕を添加すると、ドーパはチロシナーゼの働きによってドーパキノンというメラニン中間体に変化する。生成したドーパキノンの量を測定することによって、チロシナーゼの活性を評価することができる。この反応系に葛の花エキスを添加した場合、チロシナーゼの活性にどのような影響を与えるかを、検証した。

その結果、葛の花エキスは、チロシナーゼを阻害し、美白作用をもつことが明らかとなった。

また、葛の花エキスの美白作用強度を検証するために、葛の花エキスに含まれるイソフラボン(葛の花イソフラボン)と大豆に含まれるイソフラボン(大豆イソフラボン)のチロシナーゼ阻害作用を比較した。その結果、葛の花イソフラボンは、大豆イソフラボンと比較して、より強いチロシナーゼ阻害作用があることが確認された。

なお、葛の花エキスのコラーゲン保護作用、美白作用、および葛の花エキス配合化粧品は、第23回 インターフェックジャパンと同時開催される、「第1回 国際化粧品開発展」〔6月30日(水)~7月2日(金)、東京ビッグサイト)に出展する。

〔注1〕皮膚のハリ・弾力性の維持を担うコラーゲンを分解する酵素。

〔注2〕生体の組織内にある褐色または黒色の色素。毛髪や皮膚、目の網膜などに存在する。紫外線などの刺激によって、皮膚に存在するメラノサイトという細胞の中のチロシナーゼが活性化し、ドーパキノンを経て、メラニンが生成する。メラニンが過剰につくられると、しみの原因となる。

〔注3〕dihydroxyphenylalanine(ジヒドロキシフェニルアラニン)の略称。

2010年06月25日 10:43