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永久帯電防止剤の製品を拡充

三洋化成工業(京都市東山区)は、永久帯電防止剤の製品を拡充し、マーケット優位性に拍車を掛ける。少ない添加量で効果を発揮する「ペレクトロン」シリーズを開発し、幅広い分野に向けた営業提案を活発化する考えだ。

同社は、1994年にABSやHIPSなどのプラスチック帯電を半永久的に防止する高分子型帯電防止剤「ペレスタット」シリーズを製品化。低分子型帯電防止剤と比べ低湿度下でも帯電防止効果を発揮する高分子型帯電防止剤は、半永久的に持続するその効果に国内外から好評を得ている。ポリオレフィン系樹脂向けなどラインナップを増やし、多種多様なニーズに対応している。

今回、「ペレスタット」シリーズより少ない添加量で同等性能を備える技術を開発し、「ペレクトロン」シリーズとして本格販売することを決定した。従来はプラスチックに対し約10%添加することで要求性能が得られていた。「ペレクトロン」は約3~4%の添加で同等の帯電防止効果を発揮する。

新開発の「ペレクトロン」シリーズは、独自のポリエーテル系ブロックポリマーによる帯電防止付与技術をさらに進化させたもの。ポリエーテルのイオン伝導性を最大限に発揮する組成設計で「ペレクトロン」シリーズ自身の表面固有抵抗値を106Ω(オーム)まで低くすることに成功した。また独自の分散制御技術(帯電防止剤成分の相溶性と粘度の制御技術)を組み合わせることで、プラスチック成形品の表層部で、効率的に筋状の導電回路を形成させることができる。

「ペレクトロン」シリーズは、HIPS樹脂用に「ペレクトロンH」、PC/ABSアロイに「ペレクトロンP」の2品種があり、今後、対応プラスチックのラインナップを拡充する予定。

永久帯電防止剤への要望は、家電製品や電子機器の部品だけでなく、精密電子部品の搬送材料用途など、多種多様な場面で高まっている。今後は、高性能化や対象プラスチックの拡充など「ペレクトロン」シリーズのラインナップの充実を図り、従来の「ペレスタット」シリーズとともに幅広い分野における永久帯電防止剤への要望に対応していく。今後は、両シリーズを合わせた永久帯電防止剤ビジネスとして、2015年度に54億円の販売を目指す。

2010年06月30日 17:00