アルテック(東京都新宿区)は、国内製薬企業向けにネスト式シリンジ(ネストに挿入された状態でタブ内に密閉された滅菌済みのシリンジ)無菌充填ラインシステムの販売を強化する。
業務効率化や医療事故を防止の観点から、注射剤市場で急激に成長しているプレフィルドシリンジ製剤の市場拡大をにらみOPTIMAグループのPharma社(独、以下OPTIMA社)、Metall Plastic社(独、以下MP社)、Advanced Electron Beams社(米、以下AEB社)と連携し国内製薬企業向けにネスト式シリンジ無菌充填ラインシステムの拡販を強化する。
OPTIMA社は、ネスト式シリンジの開発当初より設備を開発し高速充填システム世界トップシェア。OPTIMA社の「H10-16」は、最大毎時6万本(充填量0・05~20㍉リットル)で充填可能。充填機単体では既に世界で100台以上の納入実績がある。
MP社は、充填システムを無菌状態で隔離するアイソレーターメーカー。AEB社が開発した画期的な電子線照射装置を自社のアイソレーターに組み込みシステム化している。AEB社の開発した電子線照射装置は、真空密閉されたデバイスで大掛かりな真空チャンバーを必要とせず交換も電球感覚で容易に行える。AEB社の電子線照射装置を組み込むことで従来の同等システムと比較しておよそ40%コンパクトになった。従来、シリンジの洗浄と滅菌を自社で処理しなければならなかったが、同社の販売する無菌充填システムではあらかじめ、洗浄・滅菌済みのネスト式シリンジを購入し、充填することが可能であり、欧米では主流の製造方法となっている。
アルテックでは、OPTIMA社のシリンジ充填機とMP社、AEB社の装置を組み合わせ、ネスト式シリンジ無菌充填ラインシステムの日本初採用を目指し販売を強化する。 1システム当たりの価格は仕様にもよるが15億円から。3社と連携し2011年度に売り上げ30億円を目指す。