帝人(大阪市中央区)とパナソニック電工(大阪府門真市)は共同で、高耐熱性バイオプラスチックを用いた植物度80%のポリ乳酸(PLA)樹脂成形材料の開発に成功した。
帝人は、2006年に自社のポリマー改良技術により、従来のPLAをはるかに上回る耐熱性(融点210度C以上)や高い成形性(半結晶化時間を4分の1~5分の1に短縮)を有するバイオプラスチック「バイオフロント」を開発し、その後の技術改良により、優れた耐加水分解性を実現した。
パナソニック電工は、この「バイオフロント」をベース材として、独自のコンパウンド設計・製造技術を用いることで、80%という極めて高い耐熱性を備え、成形サイクルを約50%短縮できるPLA樹脂成形材料を開発した。家電製品、モバイル機器のきょう体用途向けに、「MBA900H」として製品化している。
帝人は、すでに「バイオフロント」を衣料、インテリア、自動車、家電製品、包装材料などさまざまな領域で展開しているが、パナソニック電工の「MBA900H」の開発を機に市場開拓を加速。2011年度には5000㌧規模、将来的には数万トン規模の量産体制構築を目指す。
パナソニック電工は、2010年7月より、携帯電話、モバイル機器、デジタル家電製品を中心に「MBA900H」の販売を開始する。
なお、、2012年度には、この「MBA900H」を含む高植物度PLA樹脂成形材料で年産1000㌧を目指すとしている。