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イチョウ葉エキスに紫外線ダメージ防御効果を発見

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資生堂は、 CBRC (MGH/Harvard Cutaneous Biology Research Center、 米国・ボストン) との共同研究成果をもとに、 紫外線による酸化ダメージから肌を守る細胞内の生体内防御システムのひとつである 「チオレドキシンシステム」 のはたらきを、 「イチョウ葉エキス」 が高めることを発見した。 この発見によって、 これまで以上に生体内防御システムへの対応の強化が可能となるため、 今後、 紫外線ダメージから肌を守る効果の高い製品開発を進めていく。 

同社は、 CBRCとの共同研究により、 植物に広く含まれるポリフェノールの一種であるケンフェロールが、 紫外線による細胞ダメージを強力に抑制することを確認した。 この研究成果を踏まえ、 同社は 「ケンフェロールは、 これまで知られていない紫外線ダメージに対する生体内防御システムのはたらき高める」 という仮説をたて、 正常表皮細胞を用いて2万を越える遺伝子に対する作用を網羅的に研究。 その結果ケンフェロールは、 「チオレドキシンシステムにおいて紫外線による酸化ダメージから肌を守るタンパク質であるチオレドキシンの産生を促進する」 「チオレドキシンのはたらきを高める酵素チオレドキシンリダクターゼの産生を促進する」 ことを遺伝子レベルで解明した。 

さらに、 他のポリフェノール類やこれまで知られている抗酸化物質についてケンフェロールと比較検討したところ、 ケンフェロールの類似物質であるクエルセチンは、 チオレドキシンリダクターゼやチオレドキシンの産生促進効果がケンフェロールと同等以上に高く、 これまで酸化ダメージを抑える成分として知られているトコフェロール (ビタミンE) などより顕著に高いことを確認した。 

化粧品の開発に向けて、 ケンフェロールやクエルセチンといったポリフェノール類を多く含む各種植物抽出液について、 チオレドキシンリダクターゼの産生促進効果を測定した結果、 イチョウ葉エキスにその効果が高いことを見出し、 このケンフェロールやクエルセチンを含むイチョウ葉エキスが、 紫外線による肌への酸化ダメージを抑える生体内防御システムのひとつである 「チオレドキシンシステム」 のはたらきを高める、 という新たな対応を確立した。 

2010年09月03日 11:48