ツルハホールディングスは10月13日、 タイの消費財大手企業サハグループの中核であるSPI社 (Saha Pathana Inter―Hplding Public Company Limited、 本社∥タイバンコク市、 サンティ ウィラーサクダーノン社長) と業務提携契約を交わすことで合意した。
さらに、 タイ出店の足がかりとして、 来年早期に従業員1名を駐在員として派遣し、 バンコクに駐在員事務所を開設する。 タイを含む東南アジアへの出店については、 新たに開設する駐在員事務所により情報収集・調査を行ったうえで、 慎重に検討していく。
同社は、 引き続く消費の低迷、 価格競争・業態間競争の激化、 少子高齢化やネット社会の進展による生活者ニーズの多様化など、 日本国内において様々な変化が生じてきている中、 かねてから商品情報をダイレクトに入手して商品調達を行い、 商品供給・店舗進出による事業の拡大メリットを追求すべく、 国外への拠点進出を検討していた。
サハグループはタイ国内外で、 化粧品、 衣料品、 食品、 日用品、 雑貨、 靴等の幅広い消費財の製造・物流・販売を行っている。 消費財分野でのタイ最大規模の企業グループであり、 ライオンやワコールなど日本の企業とも多数の合弁会社を設立している。 東南アジアは、 日本から近距離という利点があるほか、 発展拡大する生産力を背景にビジネスチャンスがあるため、 経済と物流でハブ化が進むタイの企業と提携し、 国外進出の足掛かりとする。
両社は今回の提携を通じ、 商品の相互供給・販売、 商品サービス情報の交換、 経済のグローバル化に必要な人材の交流などで大きなメリットが期待できるという。 当面は今回の業務提携をもとに、 製造・販売コスト面でも合理化を進め、 より安くてよりよい商品・サービスの提供に努めていく。 両社は、 「商品の開発、 供給および販売に関する協力」 という提携内容に基づき、 ツルハHDのPBブランド 「Ms One」 と、 SPI社のPBブランド 「BSC」 の開発・供給・販売で相互協力する。
計画の第1段階では、 SPI社が、 メイド・イン・タイランドまたはメイド・バイ・タイランドのMs Oneブランドの商品 (化粧品、 トイレタリー製品、 ハーバル製品等) を開発し、 ツルハグループ企業に供給する一方で、 ツルハHDが、 メイド・イン・ジャパンまたはメイド・バイ・ジャパンのBSCブランドの商品 (ミネラルウォーター、 乾電池等) を開発し、 サハグループのドラッグストア 「BALANCE」 を含むサハグループ企業に供給する。 その際には、 それぞれの強みや経験を活かすため、 両社とも開発した商品を自らの販売地域で販売する場合、 自社ブランド商品として販売する。
第2段階では、 SPI社が、 Ms One商品の販路拡大のため、 タイを含む東南アジアにおいて、 SPI社自らMs One商品の販売を行うことを検討する一方で、 ツルハHDは、 BSC商品の販路拡大のため、 日本および東南アジアにおいて自らBSC商品の販売を行うことを検討する。
その他、 「相互の人材交流の実施」 や 「ビジネストレーニングに関するセミナーの開催」 「各市場に関する調査の実施」 「経営陣などの相互交流や会議の開催」 も検討していく。
なお、 駐在員は、 「タイを含む東南アジア出店を前提とした情報収集・分析」 のほか、 「ツルハHDとサハグループの商品売買手続きの仲介や情報交換」 「SPI社が東南アジアに展開する 『BALANCE』 の業容拡大に向けた、 商品開発、 売場デザイン、 店舗運営その他のノウハウのSPI社への提供」 などを行っていく。