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卸最大手が通販ジャンルへアプローチ

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化粧品・日用品卸最大手のPaltac (本社∥大阪市) が、 現状で手つかずに近い通販ジャンルの開拓をめざして販路拡大に乗り出している。 

同社の今期第2四半期における業態別の売上実績を販路別に見ると、 構成比 (60・4%) が突出している 「ドラッグストア」 が2316億円と前年同期比で横ばいを死守した流れに沿い、 「CVS」 (22・0%増) や 「ホームセンター」 (4・9%増) も売上げを伸ばした一方で、 「GMS」 (5・6%減) と 「その他」 (17%減) が縮小して販路別の明暗が顕在化している。 

同社は今後の販売先チャネル編成に関し、 重点課題として 「フィールドを拡大するなかで通販とどういう関係になれるか。 取り組んでいきたい」 (三木田会長) という方針を示しており、 ドラッグ店に偏重した現在のバランスを修正しようとしていると見てよさそうだ。 

この点に関し、 Paltacの経営企画本部は 「店舗からインターネットへと移行が進む流れ、 またはレールに乗っていく必要がある。 (一部の) 通販会社はいろいろな調達先から商品供給を受けている実態に対し、 当社はフルラインの供給を提案できる」 (吉田拓也マネジャー) として、 通販で活かせる自社の持ち味について説明している。 

また、 既存の主要取引先である各ドラッグストアにもインターネットを媒体にした通販の取り組みが拡大している実態を受け、 ある中堅ドラッグチェーンの通販でサプライヤー役となってテスト稼働を開始したことを明らかにしている。 

ドラッグ各社には 「『店販だけでいいのか』 という議論のなかで通販の参入が進む見通しが高い」 (同) ことから、 この先は積極的な新規提案を進める。 

同社が10月29日に発表した2011年3月期第2四半期決算は、 売上高3877億5000万円で前年同期比0・5%増、 営業利益41億4700万円で同24・5%減、 経常利益65億1900万円で同17・7%減、 四半期純利益は33億2600万円で同23・2%減となり単独上場後の上半期は微増収減益決算となった。 同社が開示した期首計画に対してはそれぞれ、 売上高が計画比98・41%だったほか、 四半期純利益は同78・5%だった。 

品目別の売上実績に目を移すと、 構成比が最も高い (39・5%) 「日用品」 の売上げが1515億円で前年同期比103・3%と主軸が堅調だったほか、 準主力の 「化粧品」 (構成比∥25・6%) も982億円で同102・3%と伸びて業績の両輪は流通が盤石だったことが分かる。 

一方で、 インフルエンザ特需の反動やOTC市場の低迷が影響した 「医薬品」 や 「健康・衛生関連品」 が振るわず計画超えのブレーキ役になった。 

11月1日に都内で開催した決算会見で、 初めて説明会の主役を務めた折目光司社長は、 前年に比べ2・6%減となった売上総利益について 「小売は価格競争が激化して卸への要望がますます厳しくなっている。 (中間流通の) 真価が問われる時だ」 と述べて口元を引き締めた。 また、 先に下方修正を発表した通期業績の背景として 「売上高は当初とほぼ変動はないが、 下期で上期の落ち込みを飲み込むことはできない。 上期と下期でそれぞれ6億円、 計12億円の目標でコスト削減を加速する」 として厳しい事情を説明した。 

さらに、 社長を退いてなお折目社長と経営の主導権を握る三木田國夫会長は売上高1兆円構想に話題が及ぶと 「いずれ達成できる。 経費率が8%台になったら達成が可能だと思う」 と述べて存在感を示した。 また、 自身が社長として前期に残した数値を引き合いに出し 「経費率が10%を切ったのは初めてだった」 としたうえで、 先の8%は手が届く数値だという実感を語った。 

通期業績目標は売上高7587億 (対前年比2・6%増)、 当期純利益は56億円 (同16・9%減) となっている。