(株)東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、大麦若葉末の大腸癌抑制作用に関する追加知見を、第15回日本食物繊維学会大会(2010年11月22日~23日、北海道大学学術交流会館(北海道札幌市))において発表した。
大麦若葉末は、イネ科オオムギの若葉部を乾燥、微粉砕加工した機能性食品素材。臨床試験において、便通改善作用を有することを確認しており、平成22年8月23日付けで便通改善作用を許可表示とした特定保健用食品(トクホ)の許可を取得している。
今回同社は、大阪青山大学 健康科学部 片山 洋子 教授をはじめ、福岡女子大学との共同研究において、大麦若葉末の大腸癌抑制作用に関する追加知見をin vivo試験で得、第15回日本食物繊維学会大会で発表した。
■ 発表骨子
5週齢のBALB/cマウス〔注①〕を大麦若葉末群(大麦若葉末を3%配合させた飼料)と対照群(大麦若葉末を含まない普通飼料)に分け、最初の10週間は、それぞれの飼料を自由摂取させながら発癌性物質を投与し続けました。さらに、その後7週間にわたり、それぞれの飼料を自由摂取させた後、両群の大腸癌による病変を比較した。
その結果、大麦若葉末群は対照群と比較して、癌になるまで過程にみられる前癌マーカーの発現個数および発現率の有意な低値が認められた。さらに、対照群と比較して、血中8-OHdG濃度〔注②〕が有意に低下した。
このことから、大麦若葉末は酸化ストレスを軽減させ、大腸癌発症を抑制する作用を有することが示唆された。
〔注①〕 BALB/cマウス
発癌性物質の影響を受けやすいため、癌や免疫学の研究に一般的に用いられるマウス。
〔注②〕 血中8-OHdG濃度
8-Hydroxydeoxyguanosine (8-ヒドロキシデオキシグアノシン) の略。遺伝子が活性酸素により損傷を受け、修復される際に8-OHdGを細胞外に排出させるため、生体における酸化ストレスを測定するマーカーとして使用される。
酸化ストレスが亢進すると、癌をはじめ種々の生活習慣病を引き起こすことが知られている。